いかないで《Hikaru.I》 (ページ21)

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告白ページ21

一睡もできていない私を置いて陽は昇る。

ああ、あと729日か。

そんな事考えれば考えるほど辛くなるからやめよう。

今日は仕事だ。
気持ちを入れ替えて準備を始める。

家を出ようとした時に携帯がなる。

見れば岩本さんから。

A「もしもし！」

『あ、Aちゃん？おはよ。』

A「おはようございます！どうしました？」

『今日、仕事？』

A「はい！そうです」

『終わってから時間ない？』

A「ありますよ！」

『おっけ、じゃあ夜迎えに行くわ。』

A「え？岩本さんお仕事は？」

『夕方までだから。昨日のとこで待ってる。』

A「悪いですよそんなの。待ち合わせしません？」

『いいの、俺が行きたいから。』

A「わざわざすいません。
あ、ちゃんと変装してきてくださいね。」

『はいはい、』

A「じゃあ、また夜に。」

『うん、じゃあね。』

そう言って電話を切る。

今日も岩本さんに会える。

楽しみができたから今日の仕事は頑張れそうだ。

A「お疲れ様でした～」

今日の夜の事を考えてたら仕事なんてすぐに終わった。

『お疲れ様。』

裏口を出たら岩本さんがいた。

A「岩本さんもお疲れ様です。」

『ん。ありがと。』

A「今日はどしたんですか？」

『なんか会いたくなっちゃって。』

恥ずかしそうに笑いながらそう言う姿がたまらなくかわいい。

ふと岩本さんの頭の上に浮かぶ数字を見る。

729。

やっぱりか。変わるわけないよね。

『ん？なにかいる？』

そう言って上を見上げる岩本さん。

A「いや！なにもないです。

私も会いたかったです。」

『ほんとに？』

A「ほんとですよ！なんで疑うんですか！」

『Aちゃんわかんないからな～』

そう言いながら歩き出す岩本さん。

『あ、ふっかと館さんね、チョコ美味しかったって。』

A「やった！嬉しい！」

そのあとも昨日みたいに他愛もない会話をしながら歩く。

この角を曲がれば家に着くという時に、岩本さんは立ち止まった。