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A「岩本さん…」
『たまたま近く通りかかった時に電話かけたらAちゃん裏口からでてきてさ。』
A「そうだったんですね！心臓止まるかと思いました。」
『ごめんごめん！
Aちゃん家まで送ってくよ。』
A「いや、そんな悪いことできませんっ」
『女の子暗い道に1人は危なすぎる。
よく今までなにもなかったね。』
A「いや私、こんな見た目なんでそんな目に合うわけなくて。」
『いや、待って？自覚ないの？Aちゃんめっちゃかわいいよ？』
A「いやいやいやジャニーズの方にそれは言われたくないです。
色んな女優さんとかモデルさん見てきて私みたいなのをかわいいとかお世辞としかとれない。」
『いや、確かに女優さんとかモデルさんと共演はさせてもらってるけど、Aちゃんはまじで可愛いと思う。』
A「岩本さんは優しいですね。ありがとうございます。」
『ほんとなのに〜。』
隣で拗ねたみたいに口をとがらせてる姿がかわいくて笑ってしまう。
『何笑ってんの。』
A「かわいいなって思っただけです。」
『こっちのセリフだわっ』
そう言って顔を背ける。
A「こんな女が1人で歩くよりジャニーズが夜道1人の方が危ないですよ？」
『いや、それ俺の体見て言う？』
A「たしかに。」
『でしょ？』
そう言って顔を見合わせて笑う。
こんな調子で2人でずっと会話が途切れること無く話してる内に私の家についた。
A「ここです。」
『もうついちゃった。』
A「ね、はやかったです。
ほんとにありがとうございました。
めっちゃ楽しかったです！」
『俺もだよ。ありがとう。』
A「明日もお仕事ですか？」
『うん。嬉しい事にね。』
A「お仕事、頑張ってください。」
『うん。ありがとう。じゃあ、またね。
おやすみ。』
そう言って私の頭を撫でて歩き出す。
ああ、私この人が好きだ。
そう思った。
そう思ってしまった。
その瞬間岩本さんの頭の上にある数字が浮かんだ。
730。
その数字の意味が私にはわからない。
わかりたくない。
でも、これは変えようのない事実。
2年後、彼は死ぬ。
でもそれは私が恋をしているという証拠でもあった。
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作者名：日葵
| 作成日時：2020年3月18日 22時
