いかないで《Hikaru.I》 (ページ1)

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いらない能力ページ1

私には小さい頃から不思議な力がある。

それは、人の寿命が見えること。

見ようと思えば見れる程度だから
私の生活に支障はきたさない。

まぁまず全員の寿命が見えたところで
私は何も出来ないから。

人の寿命が見えることは神様から人を救うように与えられた能力だと勘違いした子供の頃の私は
まるでスーパーヒーローかのように片っ端から人の寿命を見ては助けようとした。

でも途中で気づいた。

どれだけ努力したってその人が死ぬという事実だけは変えられない事に。

自分の無力さに絶望すると同時に
この世に性を受けたからには必ず死というものがやってくる。
それは変えようのない事実なんだと思い知らされた。

それから人の寿命を無闇矢鱈に見ることはやめた。

でもわたしが意識しなくてもある人の寿命は見えてしまう。

それは、私が恋した人の寿命。

何故だかは私にもわからない。
でも見えたところでなんとも思ってなかったし
別にすぐ死ぬっていうような寿命でもなかったから気にもしてなかった。

あなたと、出会うまでは。