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"さよなら"
その言葉が喉の奥につっかえてしまって、咳をするみたいにありがとう、って言った。
次の言葉を言わなきゃ、とポケットを探してみても、見つかるのは照くんを好きな私だけだった。
平気だよ。大丈夫だよ。
今までそんな言葉ばかり言って、勝手に優しくなれたと思い込んでた。
でもその言葉はいつの間にか願いに変わって、最後は嘘になった。
涙で歪む照くんの後ろ姿を、ただ見つめる。
こんな時思い出す事じゃないとは思うんだけど、一人にしないから。って、あれ実は嬉しかったよ。
どれだけ離れてても、どんなに会えなくても。
気持ちが変わらないから、ここにいるのに。
今すぐに戻ってきて、私を抱きしめて、私がいれば何もいらないって、それだけ言ってキスしてよ。
でもそんな言葉言える訳もなくて、全部全部、ポケットの中でぎゅっと握りつぶして、大丈夫、大丈夫と呟いた。
別れ話を切り出された時、泣かなかった私に、少しほっとした顔をしてた照くん。
相変わらず暢気だよね、でもそこも大好きだった。
気が付けば隣にいて、見える全部聴こえる全て
色付けたくせに。
やっぱり今すぐに抱きしめて、私がいれば何もいらないって、そう言ってもう離さないでよ。
なんてね、嘘だよ、元気でいてね。
A｢…さよなら。｣
少し小さくなった後ろ姿に、そう呟いた。
私の左手を照くんの背中に重ねる。
照くんが遠くに歩いていくにつれ、赤い糸はほつれて、やがてプチッと切れてしまった。
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今話は、backnumberさんの『ハッピーエンド』を参考にお話を書かせていただきました。
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日葵(プロフ) - I.H.さん» ありがとうございます！(泣)今日か明日、続きを出させて頂こうと思っていますのでもう少しお待ちください！これからもどうかよろしくお願いいたします!! (2022年2月16日 18時) (
レス) id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
I.H. - 今日見つけて一気読みしちゃいました...すごく面白いです、続きめっちゃ楽しみにしてます！！！ (2022年2月15日 15時) (レス) id: 7a604cb31f (このIDを非表示/違反報告)
日葵(プロフ) - リナさん» そうなんですよ（泣）この切れてしまった糸がどうなるのか…これから時間軸現代に戻りますので続きを楽しみにしていただけたら嬉しいです(*´˘`*) (2021年12月19日 23時) (レス) id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
日葵(プロフ) - スノ姫さん» ですよね〜(；；)運命の人分かればいいのに！笑ありがとうございます！！（泣） (2021年12月19日 23時) (レス) @page23 id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - えー！！離れても手繰り寄せて再開できると思ってたのに切れちゃったんですね（泣） (2021年12月19日 21時) (レス) @page23 id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日葵
| 作成日時：2021年11月28日 0時
