18 ページ18
休みが終わるとまたすぐに忙しくなった照くんの仕事。
照くんとなかなか連絡が取れない中、深澤先輩とは会えはしないものの、ちょくちょくLINEでやり取りしていた。
"最近照とどうなの？"
携帯を開くと久しぶりに深澤先輩からLINEがきていた。
"会いたいけど予定合わなくて全然会えてないし、連絡もないです。"
深澤先輩には嘘をつかずに、素直に本音を言えた。
"ちゃんと素直に自分の気持ち伝えるんだよ？
あいつ鈍感だからさ。
でも、それでも辛かったらさ、別れるのも1つの手だと思う。"
そう返ってきた。
今の私に別れるなんて選択肢は全くないけど、深澤先輩の言葉に背中を押されて、今日の夜にちゃんと本音を伝えようと、思い切って電話をかけた。
静かな部屋に呼出音が響く。
照くんはなかなか出てくれなくて、あとワンコール鳴らして出なかったら切ろう、と思ったその時だった。
『もしもし…A？』
電話越しにびっくりしたような照くんの声が聞こえた。
A｢あっ、急に電話してごめん。｣
出てくれると思っていなかったから思わず声が裏返る。
『いまさっき帰ってきて後で電話かけようかなって思ってたから全然大丈夫だよ。
それよりどした？連絡なく電話かけてくるなんてめずらしいね。』
久しぶりに照くんの声を聞くと、そんな気無かったのに急に涙が溢れた。
深澤先輩の言ってた通りに素直に言わなきゃ。そう思って涙を流しながら声を絞り出した。
A｢…会いたいっ、｣
私は初めて、自分の本音を照くんに伝えた。
『…泣いてる？
ごめん俺気付かなくて…ずっと我慢してた？』
A｢照くん、ずっと忙しくしてて、照くんもそれが嬉しそうで、私がワガママ言ったら照くん優しいから無理しちゃうと思って、重荷になると思って言えなかったけど、会いたかった、ずっと。｣
涙ながらにそう伝えた。
『…ごめんっ』
そう謝る電話の向こうの照くんも、泣いていた。
何度もごめんと繰り返す照くんと、何も言えない私。
しばらくお互いの涙が止まることはなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2595人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日葵(プロフ) - I.H.さん» ありがとうございます！(泣)今日か明日、続きを出させて頂こうと思っていますのでもう少しお待ちください！これからもどうかよろしくお願いいたします!! (2022年2月16日 18時) (
レス) id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
I.H. - 今日見つけて一気読みしちゃいました...すごく面白いです、続きめっちゃ楽しみにしてます！！！ (2022年2月15日 15時) (レス) id: 7a604cb31f (このIDを非表示/違反報告)
日葵(プロフ) - リナさん» そうなんですよ（泣）この切れてしまった糸がどうなるのか…これから時間軸現代に戻りますので続きを楽しみにしていただけたら嬉しいです(*´˘`*) (2021年12月19日 23時) (レス) id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
日葵(プロフ) - スノ姫さん» ですよね〜(；；)運命の人分かればいいのに！笑ありがとうございます！！（泣） (2021年12月19日 23時) (レス) @page23 id: 480705f8ac (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - えー！！離れても手繰り寄せて再開できると思ってたのに切れちゃったんですね（泣） (2021年12月19日 21時) (レス) @page23 id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：日葵
| 作成日時：2021年11月28日 0時
