死ねない怪物さんとお姉さん《Hikaru.I》

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今日も"H"さんは上司について奥の部屋に入って行く。









最近この光景をよく目にするようになった。









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ふっか先輩が体調管理とかそんなんじゃね？なんて軽く言っていたから私もそんなに気にとめてなかった。









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でも、今日で気にせずにはいられない状況になった。









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がちゃり、と奥のドアが開いて"H"さんは壁の中へと戻っていく。









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その首筋には、真っ赤な血が滲む真新しい傷がついていた。









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A｢…"H"さん？
その首筋の傷、どうしたんですか？｣









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そう聞いても答えてくれるはずもなくぼーっと1点だけを見つめている。









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手当てしてあげようと思っても、こんな時に限ってふっか先輩は休みで許可が取れないから動くにも動けない。









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私をここに配属しようと提案した上司も普段は違う部署で仕事しているらしく、顔も見た事ないのに探せるわけもない。









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下手に動くときっとふっか先輩に怒られるから今日はとりあえず様子見する事にした。









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辰哉｢…で、首に傷つけて帰って来たと。｣









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A｢はい…｣









辰哉｢もし気になるなら、次"H"が連れてかれそうになった時に1回聞いてみな？｣









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A｢そうですね。わかりました。｣









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そしてその日は、思ったより早く来た。

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