＊第六十四話 ページ25
「ただいまー、待ったー？」
私はそう言いながら部屋へ戻る
金木さんはぼーっと部屋の片隅にある写真を眺めていた
金「…」
やっぱり、気になるよね…
金「…っ！あ、Aちゃん、おかえり」
私の視線に気づいたのか金木さんは写真から目をそらして私を見た
貴「…暇だったでしょー、この家何も無いから」
金「大丈夫、ちょっと考え事してたから」
貴「そっかー…」
きっと写真にうつっている人について考えていたんだろう
写真の中にいる2人は私にとって、かけがえのない人
その二人について知っているのは、多分店長だけ
金「…あの、さ…」
貴「ん？」
何かを決心したように、金木さんは口を開く
金「…あの…写真の人達の話…聞いてもいい？」
貴「え…？」
金「ごめん、話したくないならいいんだ。ただ、僕は本当にAちゃんの事何も知らないから」
金木さんは俯きながらそう言った
貴「…正直、過去の話はしたくない…私を、知れば…皆離れる…もう、私は…独りになりたくない…」
金「そ、そんなことっ」
貴「ない？そんなわけないよ。だって今までずっと…ずっと独りだった…」
私は写真に目を向ける
貴「私を理解してくれたのは…朱雀と圭ちゃん…たった2人」
金「Aちゃ…」
貴「でもその2人ももう…」
ポロポロと涙がこぼれる
貴「っ、ごめんっ、やっぱ、無理…」
1度こぼれた涙は止まらなくなってしまった
金木さんに背中を向けて涙を拭う
滝のように流れはじめた涙はなかなか止まってくれない
金「…ごめん、Aちゃん…」
そう言いながら金木さんは私を包み込んだ
背中に金木さんの熱が伝わる
貴「え…っ！？」
金「ごめん…無理に聞こうとして…Aちゃんを苦しめたかったわけじゃないんだ…」
金木さんの優しい声が耳元で聞こえる
金「ただ…ただこれだけは言わせて。Aちゃんは独りなんかじゃないよ。…僕も…董香ちゃんも…店長も…四方さんも…まだ他にも…たくさんいる」
金木さんは私をくるりとまわす
金「…だから…そんな悲しいこと言わないで」
そう言った金木さんはとても悲しそうな顔をしていた
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あぅろ痕(プロフ) - 続きがぁあ気になるぅぅぅぅ (2019年9月8日 10時) (
レス) id: d435dc3edd (このIDを非表示/違反報告)
夜空月(プロフ) - もふもふ☆てぃあさん» コメントありがとうございます!!!そんな事言ってもらえて光栄です!!!はい、できるだけ早く更新できるように頑張ります。 (2017年8月21日 22時) (レス) id: 1deb7c7c52 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ☆てぃあ - 面白いです！更新頑張ってください！！ (2017年8月21日 19時) (レス) id: 86657b5922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空月 x他1人 | 作成日時：2017年8月16日 19時
