猫系彼氏【そらる】

episode5 ページ6

モヤモヤが止まらない私をよそに、放送はどんどん進んでいく。



そらるさんとろんさんがゲームを始めて、そらるさんが負けちゃって。







》そらるさん罰ゲーム！ｗｗｗｗ

》ろんさんに告白！！！！

》告白！







そらるさん。私はどうすればいいの？



放送を一緒に聞いているまふくんが心配そうな顔をしている。







まふ「…大丈夫？」


A「ぜんぜん大丈夫」







しょうがない。



そらるさんは人気者だから。



私が我慢しないと。



それでも神様は意地悪で、生放送は続く。







そらる「えー告白？」


ろん「告白！」


そらる「んー」







そらるさん。お願い。



言わないで…。



わがままなのはわかってるけど聞きたくないの。







そらる「ろんさん。


…好きです」







大好きなその声は。


私じゃない人に好きって言って。


画面のコメント欄はすごいことになっている。







まふ「もうやめよ」


A「まふくん？！」


まふ「無理してるのばればれだよ」







まふくんはぱっと私からスマホを取って、生放送を閉じた。



我慢してたのに。



まふくんのせいでヤキモチがどんどん大きくなっていく。







まふ「そらるさん怒っとくから」


A「ありがとう」







頬をふくらませたまふくんは可愛い。



自然と頬がゆるんで笑顔になる。



急にぎゅっと手を握られて。







A「…まふくん？」


まふ「家まで送ってくね」


A「まふくん優しいね」


まふ「えへへ」







まふくんの温かい手に引かれて家まで歩く。



帰りたくなかったはずなのに、まふくんのおかげでちゃんと歩けた。








．









そらる「A？！」







まふくんと一緒に帰ってきた私に、そらるさんはびっくりしたみたいで。



私たちが手を繋いでるのに気づいてむすっとしたそらるさん。







そらる「…なんで手繋いでるの？」


A「そらるさんのばか」


そらる「え？」


A「ばか。ばか。ばか。」







そらるさんごめんなさい。



私、そらるさんのことになるとわがままになるみたいです。

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