[Fate]聖杯乱戦第弌次 (ページ7)

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陸話×明け方ページ7

家に帰ると、もう日が昇りかけていた。母上に、具合が悪いので今日は寝かせてほしいと頼むしか、睡眠を取る方法は他にない。

「ふあ～…」

あくびをすると、ギルがソファに横になって現れた。

「ずっと気になっていたんだけれど、貴方の衣服、どうにかならないの?」

ギルは戦闘以外はただの布キレを巻いているような格好だった。古代の衣装なのだろう。

「他にもあるが、これが一番我に馴染む」

「日本の衣装には興味ないかしら?」

私は着ろと言わんばかりの、満面の笑みで和服を推奨する。英雄が和服を着た姿も是非拝見してみたいと思ったからだ。

「ほぅ。興味深いのぅ」

「とりあえず、休ませて。明日町へ出掛けましょう」

「町だと…?」

一瞬ギルの目が光った気がした。こちらへ来て、何もしないのも退屈だろう。王は退屈が一番の敵である。

「楽しみにしておるぞ、A」

そういうと、姿を消した。

そろそろ母上が来るはず、今日中は休ませてもらおう。

「A、朝食の準備が出来たわよ」

「すみません、母上。今日は具合が悪くて…休ませていただけないでしょうか」

「…そう。無理はなさらずにね。ゆっくりお休みなさい」

どうした等と聞いて来なかったので、安心した。聞かれたら、厄介なことになる。問題の父上は、仕事に没頭しているため、昨日のようには怒られまい。

事情も話せたところで、そろそろ寝よう。