弐話×出会い ページ2
「まずは魔法陣を書かなきゃね…」
床に魔法陣を掘り進める。
「フゥ…こんな感じかしら……」
英霊を召喚する際、血を用いるらしい。その為には自分の体を傷つけ得るか、他人を血液を頂戴するかのどちらかだ。どちらにせよ、身体を傷つけなければ召喚は出来ない。
仕方なく、割れた硝子の破片で腕を傷める。そして書物に書かれてあった、呪文を唱える。一通り唱え終えると…
ザァァッ…
「…ッ」
途端に風が吹き、古く穴のあいたカーテンが激しく揺れる。
魔法陣に光が集まる。その中に人影があった。
「これは……」
人影がハッキリとする。現れたのは、金髪で鎧の纏った騎士だった。
「……本当に召喚しちゃった」
目の前の男が口を開く。
「…小娘、貴様が我のマスターか?」
その声は威圧感があり、ひれ伏しそうだ。これが英霊というものか。
(マスター?よく分からないけれど、召喚したのは紛れもない私だわ)
呼び出したのはいいが、どう扱えばいいのか。この英霊とやらは何処から来たのか。
「うーん…?」
考えていると、一層険しい顔になる男。
「おいそこの雑種に聞いておるのだ。王の問いを無視するか」
金髪の男はだんだんと不機嫌になる。
「私はA。貴方は私の英霊であることに間違いないわ」
「随分と口が達者な小娘よのぅ」
人の事言えないと思ったが、それより…
「そういえば、王ってどういうこと?」
「我を知らぬと申すか。人類最古の王を」
人類最古の王……
「メソポタミアの____!!?」
「フンッ…」
これで分かったかというように、見下す。
「あの伝記のギルだなんて…」
「ギル……? フハハハハ!!!!! その名で呼ばれるのは初めてであるぞ?」
「すみません英雄王」
「まぁ、良い。面白いではないか。気に入ったぞ小娘。Aと言ったな?我と対等に話す事を許す」
しまった…王を相手に略して呼称してしまった。もともと私は伝記が好きだ。英雄王を慕っていなかったら、殺されかけていたかもしれない。
「じゃあ、ギル。よろしくね?」
「あぁ」
さて、これからどうするべきか。両親共々、理由を話さなければならない。
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美虎都(プロフ) - 面白い過ぎて!続きが気になる|´-`)チラッ (2017年10月31日 2時) (レス) id: 6e6a008299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここあ | 作成日時:2015年11月24日 1時