2回目の約束 ページ9
亜嵐side
やばい。
限りなくやばい。
だってこの状況。
Aが、俺の肩に頭乗っけて寝てんだもん。
まぁ、やばいって言っても、俺がそうしたんだけどね。
だって
A、ウトウトし始めたと思ったら
隣のおっさんの方に頭コクコクしてんだよ？
それは俺の方に引き寄せるよね、普通。
おっさんまんざらでもない顔しやがって。
ふざけんな。
汚れてないんだよ、Aは。
そんなこと考えておっさん睨んでたら
Aの寝息が止まって、ピクンって動いた。
A「あ、ごめん、亜嵐くん！」
うわ、顔真っ赤。
亜嵐「全然。」
余裕なフリして首を振る。
Aは、
「はぁ、どうしよ、あたし。暑い暑い。」
なんて言いながらほっぺたに手当ててる。
触りてえ。ほっぺた。真っ赤。
ピュアだなぁ。
あ、また忘れてた。
亜嵐「ねぇ、LINE、交換しよーよ。」
A「へ？LINE？うん、いいよ。」
よっしゃ。
なんてまたあっという間に。
アナウンス「次は〜〇〇〜〇〇〜。」
俺んちの最寄駅。
亜嵐「俺、もう降りなきゃ。」
Aはちょっと下を向いて
A「そっかぁ。もうバイバイだね。」
ちっちゃい肩が、もっとちっちゃく見えて。
なんか、俺、めっちゃさみしくなってる。
亜嵐「じゃあ、後でLINEするから！」
A「うん！待ってる。」
亜嵐「じゃあな。」
A「じゃあね。」
そう言って微笑むA。
なんかその笑顔、守りたくなる。
______________
ガチャ。
「ただいまー！」
ま、誰もいないんだけどさ。
俺は、姉貴と2人で暮らしてる。
家は東京からずいぶん離れてるから、元々一人暮らしだった姉貴んとこに居候してる。
姉貴はモデルやら何やらやってて、忙しくしてるからほぼ俺1人。
A、家、着いたかな。
LINEしてみよ。
亜嵐『俺、今家ついた。』
『A、家ついた？』
既読ついた。早。
1人でフフッて笑っちゃった。
A『うん、無事に着きました。』
え、なぜ敬語！？
業務連絡みたいじゃん。笑
亜嵐『そっか。ねぇ、俺、考えたんだけど。』
A『うん。何？』
亜嵐『明日から毎日、登下校一緒ね。』
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作者名：にこ | 作成日時：2017年9月23日 22時
