涙、雨 ページ9
。
Shoya side
そんなわけない
そうだ、そんなはずない僕が何か間違えたんだ
そう思って、もう何万回も確認したLINEをもう一度見る
そしてまた何万回目かの現実を突きつけられる
待ち合わせは時計台の下で10時
今は11時
翔「……なんでだよ」
さっきまでの青が嘘のように空は曇り始めていた
きっと、きっと、何か用事があって遅れてるんだ、大丈夫
連絡もできないような急用が、きっとあるんだ
だったら近くのカフェでAを待とうか、そう思ったけどここを離れたらきっと、
Aはもう来ないんじゃないか、なんて事しか考えられなくなりそうで、必死で違う事を考えながら時計台の下に立っている
翔「Aと会ったらまずはお昼ご飯からでしょ、その後はAの欲しがってた服を探して、……………」
人通りも少なくなってきてふと時計を見ると、針は12時を指していた
待ち合わせは2時間前
Aは、きっともう来ない
翔「なんでだよ……」
天気はどんどん悪くなっていく一方で、
まるで僕の気持ちを表しているかのように、
ぽつぽつと雨が降り始めた
ザーザーとうるさいほどの大雨になるまで、僕は雨が降っている事に気付かなかった
涙の代わりに大粒の雨が頬を伝う
後ろで鳴る救急車のサイレン、
水溜りを走って跳ねる水の音、
誰も乗らないバスが走り出す音、
全てがうるさく僕の鼓膜を震わす
翔「なん、で………」
気付けば視界には灰色の空だけが広がっていた
誰かが僕の顔を覗き込んで電話をしている
何してんだろ、
そんな事を思いながら
だんだんと意識薄れていった
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caco(プロフ) - nanakoさん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます！！！とっても励みになります(泣)なかなか更新できていませんが、頑張ります！ (2021年7月10日 10時) (
レス) id: b178a31943 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - 更新待ってました！ (2021年5月4日 7時) (レス) id: de70f73e94 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - 切ないけどとてもいい！！続きが楽しみです。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 9b745494ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：caco | 作成日時：2020年6月23日 10時
