今日も僕らはゼラニウム.2 (ページ45)

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Shosei's side

店はかなり繁盛していたけど、

ぎりぎり並ばずにすんだ

『私、イチゴにする』

本当にいろんなメニューがあって、

困ったけど結局はプリンパフェにした

『お、お、美味しい……!!しょせも食べて』

イチゴパフェって結構ありきたりだけど、

ここの店は新鮮な感じで美味しい

祥生「プリンパフェも美味しい」

そういうと口をパッと開けるA

あーん…なのか…？

祥生「はい」

Aは特に照れる様子もなく

ぱくっと食べる

『美味しい』

あとから聞いた話だけど、

S4と食事するときはほぼ毎回全員に

あーんされるから慣れているらしい

『ぷりん美味しい美味しい！
プリン、美味しい？』

祥生「なに言うとんねん」

『関西弁でた〜』

俺が関西弁言ったら絶対イジってくる…

でも敬語のとき以外は基本関西弁だから

そんな珍しくもないと思うけどな

店を出て、この後どうするかを

話していると、

『じゃあ〜公園行って遊ぼ』

祥生「えー」

腕を引っ張られて、

自販機で飲み物を買ってから

公園に行く

祥生「何すんの〜？」

『わかんない！』

わかんな〜いなんて言いながら

踊っている

ふざけて踊るだけでも画になる

………これ、3拍子だ

祥生「それワルツ？」

『うんちっちゃい頃習ってた』

相手がいなくても見惚れるほど

華麗なステップで、惹き込まれてしまう

『どうでしょうか？』

祥生「綺麗でした」

『祥生も』

招かれて、手を握る

ダンスは習ってるけどワルツは踊ったことない

さっきのAの動きを見様見真似で

踊ってみる

『上手だね』

祥生「結構楽しいね」

気がつけばそこは二人だけの空間になっていた

祥生「ね、A」

『ん？』

祥生「俺さ」

『うん』

祥生「Aが」

『うん』

祥生「好きなんだ」

気がつけば口に出ていて、

後悔する間もなく、

ぴたりとダンスが止まった

『そっか』

いつも、そうだった

俺が言葉を濁した時も

想いを言葉にした時も

普通に話してる時だって

そっか

だった。

今まではそれで救われていたけど

祥生「…なんだよ、それ」

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