今日も僕らはゼラニウム.2 (ページ18)

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桜ページ18

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入学式、暗い気持ちで朝を迎える

人見知りの私はクラスに馴染めるだろうか

そんな不安を胸に抱えながら

少し大人っぽいセーラー服を着る

葵「……似合わないなぁ………」

制服が届いてから何度も着てみたけど

やぼったいのは変わらず、

地味な自分も変わらず。

葵「行ってきます…」

私の気分とは真逆に

ポカポカして気持ちいい春の陽気に

腹が立つ。

桜の匂いが妙に鼻につく

葵「あ…」

通りかかった信号の先を見ると

同じ制服の女の子がいた

なんとなく気になって、

立ってその子が信号を渡ってくるのを

待つことにした

その時、急にその子がふらふらしだして

バタンと倒れる

葵「えっ」

すぐ近くにいたおばさんが

すぐに救急車を呼んだ

私は、

怖くて

その場から走って逃げ出した

葵「どうしようっどうしようっ」

全速力で走って学校へ向かう

葵「私っ今、見てみぬふりしたのっ?!………」

動揺で息が荒くなる

どうして自分はこうなんだろう

いつも自分が弱いのを言い訳に

助けてほしい人を助けない

葵「…………」

綺麗だった

こんな状況で変だけど、

すっごく綺麗な女の子だった

儚く散る桜のように

触れたら消えそうなくらい白い肌

彼女のことが、

頭を離れない

。
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