9．下手すぎて ♡番外編 ページ10
「あら、そうなの？誰！？」
内田さんまでも拾うのを手伝って下さる。優しい。
私にはマネージャーさんみたいに聞く度胸も、彼みたいにサラッと流す技法も身につけていない。
何でもない風を装い、ひたすら集めるのに専念していると＿
「Aは、誰だと思う？」
「へっ？」
間抜けな声が出て頭を抱えたくなる。何でこんなにも感情を隠すのが下手なんだろう。
(その話、私に振る？)
言いたいことは山ほどあるが今は内田さんもいる場なので、「え、え〜？染谷くん好きな人いるんだ〜知らなかった〜…！」と言葉を濁した。
その時、同じ紙を取ろうとしたのか彼と手が触れ＿そのまま大きな手に覆い被せられた。
______
染谷くんに嘘をついた事がバレて問い詰められたその日、久しぶりに夢に彼が出てきた。その後、気分転換の趣味をした。結局、一本の電話によって張本人と(最悪な)再会を果たしてしまうのだけれど。
今回はその夢で見た懐かしいお話＿
「えっ勇次郎、ハロウィンパーティーしたことないの！！？？」
高校受験真っ只中の秋、私は思わず大声をあげてしまった。
「別に…する友達もいなかったし。ハロウィンって小さい子供が楽しむイベントでしょ」
「ええ……そんな冷めた発言しなくても」
放課後だからか教室には誰もいない。お互いの都合が合う日は、こうして2人でダラダラと駄弁っているのだ。
どうでもいい話ばかりだけど、来週は10月31日、ハロウィンがある。そう話せば「やったことない」と言い出したのだ。
「そっかぁ…てっきり同じユニットの柴崎？くんとハロウィンパーティーする約束してるのかと。友達になったんだよね？」
「はあ？してないよ！愛蔵とは友達じゃないし！あんな奴とこれから一緒にやっていくのが不安だよ」
「不安？」
聞き返すと、サラ…と藍色の髪が彼の顔を隠した。
「うん。僕の方が正しいこと言ってるのに自分の意見を曲げないんだ」
「へー。勇次郎に歯向かうなんてその子すごいね〜」
「まあ…ダンスの振り付けをすぐに覚える所とかは……すごいかな」
「…“とか”？」
「ちょ…何ニヤニヤしてるの！？」
ぐにーっと頬を摘まれる。
「いひゃい！してない！してない、から！」
「本当に？なら何でまだ笑ってるの？」
「だって！あんな奴呼びなのに尊敬してるみたいな口振りだからさ！それは勇次郎が柴崎くんをちゃんと認めてるんだなーって…あっ」
「ふぅん。疑ってるんだ」
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ほたる(プロフ) - 奈津さん» ありがとうございます！出来上がり次第、更新します！ (9月20日 6時) (
レス) id: 858ad6cafb (このIDを非表示/違反報告)
奈津(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、更新楽しみに待ってます！！ (9月19日 22時) (レス) @page4 id: 1b362c8584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2023年8月22日 17時
