20．ファンサ ページ26
「今日はジュリエッタに会えて嬉しいです！来てくれてありがとう！」
柴崎くんが向日葵みたいな笑顔でそう言うと、染谷くんが視界から消えた。
「僕達がLip×Lip SUMMER LIVEを開催できたのはスタッフさん、このステージを貸していただいたオーナーさん、ジュリエッタ、そして…ワンニャー」
ぼす、と頭上から音がした。
(ん？)
会場の悲鳴が大きくなった…ような気がしたが構わず演奏し続ける。
(あと10秒…)
「ジュリエッタへの感謝を込めて」
「「夢ファンファーレ！！」」
それじゃダメ！ 君を楽しめ
頑張っている君に捧げる 夢ファンファーレ
「それじゃあここで、ワンニャーは世界中の動物を助けに帰ります！ワンニャーありがとう！」
柴崎くんの台詞に、立ち上がってぺこりとお辞儀をする。
ワンニャーがイメージキャラクターのこの会場のオーナーさんは元々、帰る場所がない動物達を支援するボランティア活動をしているらしいので、ワンニャーもその仲間に加わった設定でステージを抜けることになった。
ここでまだベースなどの楽器が届いていなかったら、染谷くん達がはめているイヤホンから連絡が入り「ワンニャーにまだ演奏して欲しいな！」と引き止められるが、それがないということは上手くいったらしい。
名残惜しいと上がった歓声。
皆に受け入れてもらう喜びを味わうが、本来はちゃんとしたアーティストがバックで演奏するはずだったので早くステージを離れなくちゃいけない。
まだ弾きたい気持ちはやまやまだが＿
(あ、そうだ)
萌奈が前のライブでやっていたファンサが頭に浮かんだ。
姉妹ながらもドキッとしてしまったアレをやろう、と正面を向いた。
太い手を顔の前に持ってきて、観客席に飛ばす。
「わーっ！ワンニャーに投げキスされた〜」
「めちゃくちゃ可愛いね！」
ジュリエッタ達の反応も上々で、私は舞台袖へ歩いたのだった。
(着ぐるみって大変なんだな…)
スタッフさんに手伝ってもらい、着ぐるみを脱ぐ。
全身の神経が敏感になった。
真夏なのに、すごく涼しい。
「Aちゃん〜完璧な伴奏だったわ〜！」
「内田さん…ありがとうございます」
ペットボトルのお茶を貰ったので喉を潤していると、半泣きのマネージャーさんが楽屋にやってきた。
「そういえばね、伴奏してる人に会いたいって子が…あら？ひよこー？」
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ほたる(プロフ) - 奈津さん» ありがとうございます！出来上がり次第、更新します！ (9月20日 6時) (
レス) id: 858ad6cafb (このIDを非表示/違反報告)
奈津(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、更新楽しみに待ってます！！ (9月19日 22時) (レス) @page4 id: 1b362c8584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2023年8月22日 17時
