Dear.__君へ捧ぐ__【HSJ】

8 バッキュン ページ26

ふふっと光くんが笑う。





それと同時に、圭人の慌てる声、カーテンの開く音が聞こえてきた。








「雄也！ベッドから離れるのは...！」




圭人がそう言うのが聞こえて、慌てて振り返ると、




一言で言うなら、




折れちまうぞ。




って言うくらい細い体で、俺の元へやってくる雄也。




下を向いていて、顔がぜんっぜん見えない。





「雄也、戻って」




俺がそう言っても、全く戻る気配は無い。


俺の目の前でピタリと止まる雄也。




顔が赤い。




顔が見えたと思ったら、何やらほっぺを膨らませて、多分怒ってる？んだと思う。





さっきからクスクス笑っている光くん。





雄也は口パクで何かを伝えようとしている。

けど、色々言いすぎていて、何が言いたいのか今一つ分からない。




すると、光くんがぴょこんっと窓の淵から飛び降りて、雄也の隣まで走ってきた。




「ふふっ」




と、まだ笑っている光くん。





「雄也、一回落ち着こ？な？」





まだ怒ってるであろう雄也を落ち着かせようとするけど、全く止まらない。




ずーっと下を向いている大ちゃん。



慌てふためく圭人。





すると、光くんがケラケラ笑いながら、



「ゆーやね、



大ちゃんはわるくない！りょーすけせんせい大ちゃんのこと怒らないで！



って、言ってるよ」





と、言った。



雄也の方を見ると、コクコク頷いている。





「ごめんな？でも、雄也の為でもあるし、大ちゃんの為でもあるの。


別に、怒りたくて怒ってるわけじゃないから、な？」





そう言うと、雄也はにへらーっと笑って、大きく頷いた。



光くんはなぜかまだケラケラ笑っている。



気付いたら、大ちゃんは雄也に嬉しそに抱きついてた。



圭人はほのぼのした顔で見ている。





「ごめんね大ちゃん。でも、気を付けてね？」



そう言うと、



「ごめんなしゃい...」



っと、大事な所で見事に噛んだ大ちゃん。






あざとっ！かわいっ！！


光くんも光くんで笑ってる姿が可愛すぎるんだよ。もぉー！！！


雄也は雄也で嬉しそうに圭人のところに行っちゃったし...。




なんだよもぉ！

可愛いなぁ！！！

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