Dear.__君へ捧ぐ__【HSJ】

1 小さな患者さん。 ページ3

「知念、どんな子だった？」



写真だけでイメージを決めるのも、良くないから、あくまでも俺らの予想で...


と言うことで、互いに患者の写真を見せ合いながら、俺らの小さな患者がいる、病室へ向かった。



「涼介の、可愛いじゃん！」


「知念、俺の患者いじめる気？」


「そんな事しないってば！」



知念と話していると、裕翔が俺の患者の紙を覗いてきた。



「どした...？」


「いや、この子さ、俺知ってる気がするんだよね。」



そう言って、俺から紙を奪い、まじまじと写真を見つめた。



「え、裕翔見たことあるの？」


「どんな子だった？」



俺と知念は質問を投げかける。

けど、裕翔は

「スタイルが良くてー、かっこいい感じの子だったよ。」

とだけ言って、またまじまじと写真を見つめる。



「あっ！」



俺らがエスカレーターに乗ったと同時に、裕翔は声を上げた。



「分かった！この子、病院内じゃ結構有名な子だよ！」



そう言う裕翔。

けど、俺はこの子とは、完全完璧はじめまして。


そんな事を考えている間にも、裕翔は話を続ける。



「この子さ、多分喋らない子だよ。」



俺は一瞬にして頭が真っ白になった。

可愛い子供の世話を出来る。

そんなふうな、勝手な考えを貼り付けていたから、

喋れないんじゃ話になんねー。

そう思い、もう頭は真っ白。





「喋れないんじゃなくて、喋らないから、皆手こずってる。って、誰か言ってたんだよ。


そいで、この三人小さい頃から一緒にいるから、一切離れないらしくて...

医者の言うことより、自分より、ほかの二人を優先する。

だから、大変！！


って、誰だっけな〜。あ、そうだ。

圭人だよ。圭人が、先輩の看護師さんから聞いたって言って、俺に教えてくれたんだ。」

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