5 ページ5
自分の可笑しな力を自覚した私はプチパニック｡
リアルプリキュア？いや､ヤバすぎだろ｡
取り敢えず手袋をはめると､何故か身体が勝手に動き､左の手袋を外して先程と同じように地面につける｡
すると､崩れてボロポロになっていた地面が一瞬にして直るではありませんか｡
取り敢えず手袋をはめ､床を見る｡
「君も異能者だったのか……｡
ふふ､私の第六感も侮れないね」
顔を上げれば､地面に伸びている敦とニコニコしながらこちらに手を振る太宰さん｡
『？？？さっきの虎､敦だったの？
たしかにいないとは思ってたけど……』
「彼の異能だよ｡君の異能力は「生と死」｡
ぶっつけ本番でやったけど､なかなかの出来だ」
中島敦で虎……ああ､月下獣？？
『太宰さんの異能力は？』
「私の異能力は「人間失格」｡触れただけで相手の能力を無効化する能力だ」
『うわ､これぞチート｡体術できれば怖いもの知らず……』
敵に回したくない｡
「うふふ､よくやったね､夜春」
太宰さんは私の頭を撫でながらそう云う｡
なんか､くすぐったい｡
『褒められるの慣れてないから辞めてもらえると助かる』
「ふふ」
止まった手に顔を上げれば､まるで面白そうな物を見つけたというふうに怪しく笑う太宰さん｡
誰か助けて｡
「おい太宰！！」
「おお､遅かったね国木田君」
入り口の方を見れば､国木田さんとその他3名が｡
ナイスタイミングです。
太宰さんは虎は捉えたとかなんとか云って､敦の方に身体を向ける｡
「…まさか､この小僧が？」
「虎に変身する能力者だ」
『頭痛が痛い』
「莫迦も休み休み云え」
『今のは完璧にミス』
太宰さんと同類はちょっと……｡
「それより､何だこれは！！」
国木田さんが､太宰さんの目の高さにメモのようなものを出す｡
気になって､国木田さんの手からそれを奪えば
"15番街の西倉庫に虎が出る｡逃げれらぬよう周囲を固めろ"と､書いてある｡
「実に簡潔で良いメモだ！」
「要点が抜けている｡次からは事前に説明しろ」
『お二人って仲良いんですね』
「よくない」
「えー､ツレないなー」
このメモだけでよくわかったよ。
否､私が話を聞いていないうちに何かあったのかもしれないが｡
「はあ……次からは事前に連絡しろ…｡
お陰で非番の奴らまで呼び出す始末だ。
…後でみんなに酒でも奢れ」
後ろの三人は､非番の人達なのか……｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マキア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Cocktail/
作成日時：2022年1月17日 18時
