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赤くレトロな扉を開ければ､チリンチリンと可愛らしい音がなる｡
太宰さんを探せば､敦に詰め寄られていて､奥の方に国木田さん達と座っていた｡
太宰さんたちの方へ歩き､『どうも』と声をかける｡
詳しく聞くと､今は前職中て遊戯？的なやつをやっているらしい｡
『私全員の前職わかるよ』
「え！？」
なんと､彼の前職は七不思議の一つだとか……｡
しかも中てれば賞金も出るらしい｡
『そこのご兄妹は学生さん｡妹さんがセーラー服で､お兄さんと歳が近そうだからね｡
国木田さんは､数学の教諭かな？
予定に厳しいし､似合いそうだよね』
「中ってる……」
「チッ……思い出したくもない」
『太宰さんは……ふふふ』
これで反社の人間とか云ったら死ぬだろうな､私｡
太宰さんの腕を引き､彼の耳に口を持っていく｡
そして､周りには聞こえないくらいの小さな声で言う｡
『反社の人間でしょ？時々見せる温度のない顔｡無理して取り繕っている､周りを軽く拒絶している笑顔｡冷たく鋭い瞳｡人とか殺ってた？まあ私には関係ないけど』
笑顔で言い切れば､数秒のタイムラグがあったあと､「正解だよ」と返ってきた｡
『簡単ですね』
「はあ……また気が向いたらお金振り込むね」
『おいこら』
国木田さんたちは､どうしても彼の前職が気になるらしく､私に詰め寄るが､太宰さんが「探偵なんだから調べなよ」と一喝し､この話は幕を閉じた｡
すると､谷崎さん(名前教えてもらった)の電話に着信が入る｡なんでも依頼が来たそうだ｡
各々が席を立ち､探偵社に向かう｡
「それにしても､あって一日と半日程度｡良く､あそこまで見抜いたものだね」
『いやあ､誰が見てもわかると思いますが､私､不良だったんですよ｡
喧嘩してると､色んな人との関わりがあるんですよ｡例えば､少年院出の人とかも｡
だから､人を殺したことがある人も､なんとなくわかるようになったんです｡表情だとか目だとかは､人殺したことあるやつの特徴上げていっただけです』
「ふーん､なるほどね」
意味深な笑みを浮かべる太宰さん｡
背筋に走る悪寒には気づかないふりをした｡
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作者名：マキア x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Cocktail/
作成日時：2022年1月17日 18時
