文豪の世界に転生したけど､キャラの顔が良すぎて辛い｡ (ページ2)

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誰かに揺さぶられる感じがして目が覚める｡

人の気配に気付けないとか､不覚すぎる｡

にしても､私死んだんじゃ？

体を起こせば､砂色のコートを着た人と､前髪が不揃い……所謂アシンメトリーの前髪をした青年｡

今着ている服は､生前着ていた制服ではなく､お気に入りのオーバーサイズの黒パーカーに､黒いミニスカ｡

手は､何故か革製の黒手袋をしている｡

パーカーのポケットには何も入っておらず､現在､自分が無一文だということが理解できた。

「あの……」

手で髪を整えていると､おずおずといった感じでアシンメトリーの青年が声をかけてくる｡

『なに？』

生憎､今は誰とも関わっている暇はない｡
この先どうするべきか……と頭を悩ませれば､砂色のコートを着た人が口を開く｡

「君も無一文かい？
私達はこれから茶屋に行くんだけど､君も一緒にどうだい？」

基本､こういう話にノッてはいけない｡
怪しさ満点､絶対何かに巻き込まれるからだ。

だがどうだろう｡今の私は､無一文だ｡
すなわち､着いていくという選択肢しかないのである｡

『迷惑でないのなら､是非』

「うふふ､ならついておいで」

手を差し伸べられたので､一瞬躊躇ったが素直にその取った｡

「そう云えばいい忘れていたね｡

私の名は太宰治｡これから茶屋に連れて行ってくれるのが国木田独歩だ」

「そして僕が､君と同じ無一文の中島敦です｡
よろしくね」

中島敦…太宰治…国木田独歩｡

彼らは文豪の名前と同じ……………まあでも､気にしたら負けか(真顔)←←

人生なるようになるし｡

『私は結城夜春｡よろしく敦､太宰さん』

太宰さんの力を借りて立ち上がると､足元に違和感が｡

『厚底ブーツ………』

これどうやって歩くの？？

「何があったのかは後で聞くとして………取り敢えず貸し1……ね」

『大人気ない』

まあでも､頼らないわけには行かない｡
素直に太宰さんに姫抱きされる｡

それにしても………だ｡

この人の顔良すぎだろ←←

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目の前に積み上がるお茶碗｡

私は甘いものが食べたかったから､国木田さんの財布も考慮して､一番安い甘味……羊羹を頼んだ｡

可笑しいよね､ぜんざいのほうが10円高いんだよ←

目の前には敦が食べたお茶漬けのお茶碗が15個｡
一杯100円計算でも､既に1500円を超えている｡

この人､遠慮って言葉知らないんだ｡