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さっきまでの距離感が突然吹っ飛んだ。
何がきっかけなのかは分からないけど、私が告白する前に見せてくれた屈託無い笑顔に戻ってて嬉しくて安心する。
だから少しだけ泣きそうになる。
「なんで泣きそうなん?」
「だって……もう、前みたいには戻れないんだなって思って…
こんな風になるなら言わなければ良かったって…」
「えー……泣くなよー」
我慢できなくて涙がこぼれた。
だけどここは、個室だけど外から見える。
何も知らない人が見たら、トレーナーに泣かされてるお客さん(間違ってはない)。
「……ごめんな、上田さん。
あの事もあって、変に期待させちゃあかんなって思うのと、最近上田さんとの本来の関係性を忘れそうやったから…。
けど、ごめん。俺が勝手に思ってただけやし、今まで通りにしててもええかな?」
「当然だよ!
むしろ、嫌われたんだなって思ってた…」
「無いって!それは、絶対無いからっ!!!
……やからさ、もう泣かんでな」
頷くと、重岡さんの手がそっと伸びてきて
もしかして慰めてくれようとかするの?なんて思ったけど
その手は途中で止まって引き返してしまった。
「でもさー…どうしてこの選択にした?」
「選択…?」
「うん。今さらとは言わないけど、まさか上田さんが専属コースに変えるなんて思わんかったから」
「……重岡さんの専属してる西村くんからの提案だよ」
「はっ!?西村さん??」
「側にいたいなら、専属コースに入ったら?って。
確かにそうだよね、堂々としていられるし」
私の答えに重岡さんは驚いた顔。
ていうか、引いてる?
「ふふ、動機が、不純って思ってるでしょ」
「……ほんまやな、不純や」
また、困った笑顔にさせてしまった。
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Chiha(プロフ) - すっごく面白かったです!!!!!!!!一気読みしました。読み終わった今もときめきが止まりません笑 素敵な作品をありがとうございました。 (2019年12月4日 1時) (レス) id: fe3e47ab0b (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - お酢んさん» コメントありがとうございます^_^ストレートに褒めてもらえて嬉しいです♪今後とも、また読んでいだだけるよう頑張ります! (2019年5月31日 20時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - ミルキァさん» コメントありがとうございます^_^素敵な作者様がたくさんいる中で、そのように言って頂きすごく嬉しいです!ありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願いします☆ (2019年5月31日 20時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 藍沢さん» コメントありがとうございます^_^満足して頂けたようで嬉しいです♪最後まで読んで頂きありがとうございました☆ (2019年5月31日 20時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - ゆこさん» コメントありがとうございます^_^重岡さん、我ながら今回も素敵に描けたなと自画自賛して満足してます笑笑。続編については、考えている事がありますのでまた機会がありましたら読んでやってください!最後まで読んで頂きありがとうございました☆ (2019年5月31日 20時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2019年5月18日 15時