あまおう

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急いで帰った甲斐あって、楽しみにしていたドラマは無事リアタイする事ができた。



しかもさ、昨日の話は急展開で年上イケメンと初デートした後、彼から告白してくれて強引にキスされてっていう憧れのパターン。




だけど、主人公はあんなに彼に憧れてるのにまだOKしないんだよね。





現実だったら、というか私だったらコロリと堕ちちゃうんだろうな。





「…上田ちゃん、何ニヤニヤしてんの？」



「えっ！？ニヤニヤしてました？私」


「してた。怖かったけど…一応聞くけどどうかした？彼氏でも出来た？」





どうやら思い出してニヤけてたらしく、隣の席の桐山さんから不気味がられてたらしい。





恥ずかしすぎて机の下に潜りたい…。

言えないよ、昨日見たドラマ思い出してたなんて。






「ちょっと、思い出し笑いで…そんな嬉しい出来事あったら、桐山さんに朝イチで報告しますよ！」



「だな？そーだよなぁ〜」






苦しい言い訳かと思ったけど、案外すんなり話題は変わった。






昼休み、瑞樹とランチを食べに会社近くのカフェに行った。



同じくあのドラマにハマってる瑞樹だから、今度は存分に感想を言い合う。





「もーもーもーもー！！超きゅんきゅんしたよね、やっぱり年上の大人男子いいよね！！！」


「あの展開憧れるよねぇ〜」


「いや、でもリア充だからなぁ瑞樹は」


「ふふふ、まぁね。年上もいいなって思うけど、ぶっちゃけ現実は年齢どーでもいいかも。犯罪じゃなければ」







そう言ってランチの唐揚げを頬張る瑞樹は、毎日幸せそう。

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