84 ページ34
「どうしたの？元気ないけど」
12月は、忘年会シーズン。
このバーも例外じゃなくて、いつにも増して二次会として団体さんで流れ込んでくるお客さんが多い。
一息ついたところで淳子さんが声をかけてきた。
「そんな事ないですよ！元気です」
「そう？そうは見えへんけどな。
悩んでるなら聞いたるけど」
「……でも、今忙しいし…」
「ふふふ、やっぱり悩んでるんや。
満席やし、新規のお客さん入らへんから今ならええよ。サクっと話したら？」
「…じゃあ、サクっと…。
淳子さん、私昨日から色んなことがいっぱいあったんです」
改めて考えてみると、たった1日で起きた出来事としては全てが濃すぎる。
私は溜まったグラスを洗いながら、淳子さんは直ぐに出せるおつまみの仕込みを準備しながら話す。
「うん。起きた順に話してみて」
「…私、少し前から誰かに後つけられてる気がしてたんです。
シゲちゃんにも相談してて、でも昨日はなんか我慢できなくて、絶対捕まえてやるって思っちゃって」
「怖。そういうの、下手にしない方がええよ」
「……すいません。
シゲちゃんと合流して、誰が突きとめたんですけど…
昼間のバイトで一緒に働いてる人だったんです。
凄く仲良くしてたからショックだったし、なんか…裏切られたって…」
「…そっか。その子は、Aちゃんの事好きやったってこと？」
「分からないです。そういうのは特に言われなかったけど…
でも、その帰り道にシゲちゃんから告白されたんです」
「えぇっ！！！
いや、あの子の気持ちは分かってたけど、そのタイミングで言う？凄いな…」
薄々多分、心のどこかで気づいてた部分もあったから
気持ちを聞いた時は嬉しかったんだと思う。
だから抱きしめられても嫌じゃなかったし、流されかけた。
「…で、どうしたの？返事は」
「してないです…。
一緒にいるところ、見られちゃったんです。彼氏に」
「修羅場やんっ。凄いな、それ一晩で起きる？普通…」
「頭ついていかなくて…。もう、どうしたら良いか…」
しかも東京に戻ってきてと言われたし、今日バイトに行ったら神ちゃんはバイト辞めてるし。
お客さんから色んな悩みや愚痴を聞いてる淳子ママですらコメントに困ってる。
本当の私は、どうしたいんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 755人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - お酢んさん» コメントありがとうございます^_^シゲちゃんはこんな風に会話するのかなって想像しながら描いていますが、違和感を感じさせていないか不安でしたが安心しました。次章も是非よろしくお願いします。 (2018年10月17日 16時) (
レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
お酢ん(プロフ) - 面白くていつも更新楽しみにしています。特にセリフが好きで、表情や声色まで細かく想像出来るので、臨場感を感じながら読ませていただいてます。続きも楽しみにしてますね！ (2018年10月15日 18時) (レス) id: 4a771cb855 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - ★mmiioo★さん» まさしくその番組です笑！怖いですよね、でも芸達者で凄いなっていつも思ってます^_^ (2018年9月21日 20時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 某番組のストーカーの動画見た！神ちゃん、こわっ（笑） (2018年9月20日 23時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - あのね、彼氏の健人君の知り合い設定で浮気してないか探られてたみたいな予想（笑）シゲちゃんとの仲を邪魔するのかなーって思ってた。 (2018年9月20日 23時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2018年9月10日 14時
