Happy Together 2

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仕事が終わってスマホを見るとメッセージが一件。




健人お疲れさま。無事に東京着いたよ。

昨夜話した事、前向きに考えてくれたら嬉しいな。風邪引かないようにお互い気をつけよう!





昨夜の話って、卒業を待たずに東京に戻る事だよね。




大学は時々は行かなきゃ行けないけど、住み続ける家賃や防犯面のリスクと東京から通う交通費の面ではとっちがメリットあるんだろう。





どのみち私1人では決められないし、バイトも辞めなきゃいけないからなるべく迷惑かけないようにもしたい。







次に行くバーのバイトまで時間もあるし、発売したばかりの雑誌を買いにもう一度本屋へ戻るとドンヨリとした顔をした店長と出くわした。







「お疲れさまです。どうしたんですか？」



「あ…夏川さん。神山くんからさっき電話来てさー…」






その名前を聞いて、思わず体が強張る。



顔には出さないようにしなきゃ。






「今日は風邪でも？」



「いや。急やけど、もう辞めさせてくれって。



困るよなー。年末に向けて店忙しくなるのに。しかもパートさんは子供の冬休みとか始まると出勤出来なくなるし…

ただでさえ人いないのに、カツカツや。夏川さんのシフト増やしてもええかな？春までは大阪おるやろ？」



「え…」






言えない。


このタイミングで、今年いっぱいで辞めるかもしれないなんて。






「神山くんは、どうして…？」



「さぁ。夏川さんは仲良かったし、何か知らないかなって聞きたいくらい。



神山くん仕事出来るし気遣いも出来るし、社員登用もアリやったのになー…」





がっくりと肩を落として去って行く店長を見送って、私だってため息。






神ちゃん、辞めちゃったんだ。





やっぱり昨日の事が原因の１つだよね。





何となく雑誌を買う気も失せてしまってお店から出た。

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