Happy Together 2

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静まり返った部屋は気まずい。




時計の針が進む音くらいしてくれたらって考えるけど、棚の上に置かれたデジタル時計を見てそれは無理な願い。






「……別れようって言ってるわけじゃないんだけどさ」



「え……ほんと？」



「うん、当たり前でしょ。さっきも言ったけど、俺も悪かった部分かなりあると思う。



マメにこっちに来たり、連絡をたくさんしたり、東京に来てくれた時も、もっともっとAの事最優先に考えてあげれてたら、他の奴が入り込めないようにできたんじゃないかなって」






私が密かに不満に感じてた事、気づいてくれてたのかな。




そう思うと嬉しくなって、健人の隣に座りに行こうかと思った時








「だからさ、もう東京に戻っておいで」




「…え？」




「大学の必須授業だって、もう後数回だろ？無理してこっちにいなくても、必要な時だけ通えば良いと思うんだけど」






予想外の提案に唖然としてしまう。






そんな事言われるなんて思わなかったから。







「今回は、この提案伝えたくて来たんだよね。



ちょうど良かったかも。俺も、油断してたみたいだし」






ニコって、今回初めて微笑んでもらえた気がする。



だけど…







「いや、でもバイトもあるし…」



「バイトなんか、辞めたら良くない？東京でもいくらでもあるし。


俺と同じ派遣のバイトする？警備以外にも、イベント現場なら例えばグッズ売り場とか女の子ができる仕事もたくさんあるし」






そんな事、考えた事もなかった。

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