Happy Together

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なんでなん？




なんか、微妙に距離を取られてる気がする。





何かしたか俺は。





いつも通りAの最寄駅で一緒に降りて、家まで帰るその道のりで、3人分くらい離れて歩く事に違和感しかない。







でも本気で心当たりがないから、とりあえず何も触れずに歩き続けてるとAがピタっと立ち止まった。







「どした？」



「あのさ…今まで全然気づかなくてごめんね」



「え……な、何が？」






まさか、俺の恋心に気付きやがったんか？






「ずっとさ、いろんな人から聞かれてたんだよね。


シゲちゃんて、どうして彼女作らないの？って」



「それは、俺は俺が好きになった子と付き合いたかったから…って何度も言ってるやん」



「うん…。それ、間に受けてた。


苦しかった？隠してたよね、ごめん。でも話してくれても、私は全然気にしない…っていうか応援したのに！」







一生懸命話してるからか、さっきまで不自然なくらい離れてた距離がどんどん近くなって



今は過去最高に近いような気がする。







好きな子からこんな至近距離で見上げられて



かっこ悪いけど心臓がどんどん早くなってくるのが抑えられない。







だけど、最後の「応援したのに！」という言葉で我に返る。



どういうことや？








「応援…？」



「うん！今の時代、珍しいことじゃないよ。


まだまだ理解されにくいかもしれないけど、私はずっとシゲちゃんの味方だからね！」



「あ…うん…？」



「隠さなくて良いよ。ほら、本当の事知っても、私シゲちゃんの事大好きだから！」








一瞬『大好き』って言葉に頰が綻んだけど、これ絶対何か勘違いしてるパターンやろ。




何や？俺の事をどう思ってこんなに寄り添おうとしてくれてる？







「シゲちゃん、男の人が好きなんでしょ？

だから彼女作らないんだよね。前に付き合ってた子ともすぐ別れちゃったし、それから何年も経つのに誰とも付き合わないじゃん。



やっと全部解決したよ！」






そう言って微笑む君は最高に可愛らしいけど






最高最大に、想像以上の愛すべきドアホやったわ。

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