ボーダーライン III

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彼氏…というか、涼ちゃんはヤキモチ妬きだった。




自分は浮気癖あるくせに、私がちょっと男の子と仲良くなると、分かりやすく怒っちゃうような。




当時は浮気されてるのは全然知らなかったから、そんなヤキモチも嬉しかった。






…だから、彼氏じゃない男の人の、ましてや一人暮らしの部屋で2人きりになるなんて初めて。







自分の部屋に涼ちゃん以外の男の人を、1人で招き入れたのも重岡さんが初めてだったけど




自分の部屋と重岡さんの部屋じゃ全然違う。







それに、さっきのドラッグストアでの出来事があってますます意識せざるを得ない。







小さなローテーブルに並んで座って、ビールで乾杯。


この緊張感が伝わって、変な空気にならないように、グイっと勢い良く飲んだ。







「あ、忘れとった」


「ん、何を？」


「俺怒ってるんやったわ。そういえば」


「ふふふ、そうだった。怒られてたんだった。





…ごめんなさい、話さなくて。

でもね、信用してないとか頼りないとかじゃなくて、迷惑かけたくなかっただけなんだよ。

それだけは信じて欲しい…です…どうですか？」




「……うん」




「重岡さんのこと、信じてるし頼りにしても良い…？」




「……ええよ」








恥ずかしそうに、目を逸らして



だけど頰は赤くなってきて、嬉しそうに見える。








可愛い。



…………好きだな、この人の事。








今、改めて思った。

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