ボーダーライン III

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Aと付き合い始めて1ヶ月が経った頃。



気が早いかなって思ったけど、Aの両親の事も安心させてあげたくて東京へ観光も兼ねて挨拶へも行った。




今まで元旦那としか付き合った事が無いAが、まさか大阪で彼氏を作って、

更に離婚歴の事も話してるとは思わなかったらしく驚かれたけど、歓迎してくれた。






「大毅くん、Aの事よろしくね」


「遠いけど、いつでも遊びに来てね。今度は泊まって行って」


「はい！ありがとうございます！」






そして、年が明けてAは中間さんのお店を辞めて大阪市内の会社で派遣社員として働き始めた。



調理師の資格とかあるのにもったいないけど、俺と休みを合わせたいからと(←可愛いやろ？)と、土日休みの仕事を選んだ。



それに伴い、住んでたマンションからも出て、少し広い部屋へ引っ越して同棲も始めて、何から何まで超幸せ。







ただ１つ、気になる事が…







「こんにちはー」


「あ、いらっしゃい。久しぶりやね、元気？」


「はい。Aも元気ですよ」


「そっか。良かった、コーヒー飲んで行く？」


「はい、いただきます」







外回りの途中、近くまで来たから中間さんのお店に寄り道をした。



Aの次に入ったアルバイトの男の子に少しお店をお願いして、奥のテーブルに一緒に座った。







「A辞めて寂しくないですか？」


「あぁ、まぁ。でも康二くんに変わってからマダムのお客さん増えたよ」


「あはは、確かに。ウケ良さそうですもんね」


「何か用事でもあった？わざわざ来て」


「………アイツ。Aの元旦那が言ってた事が、どうしても気になって。


気を悪くしたら本当に申し訳ないですけど…」








東京に帰る間際に言ってた、「俺だけが知ってる秘密」






やっぱり気になるから確認しに来たんや。

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