premier amour

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デスクワークの息抜きを兼ねて、昨日の接待を経費で落としたくて申請書を経理へ持って行った。

フロアに同期もいるし、たまには総務時代の上司とも会いたくて。





「お疲れ様です、コレお願いしまーす」


「あ、小瀧くん。接待の経費？」


「うん、よろしく」





経理にいる同期の女の子に書類を渡すと、不備がないか軽くチェックをしてくれる。





「小瀧くんの補佐って大島さんだっけ？」


「うん、そう。それ作ってもらったけど、何かダメなとこあった？」



「ううん、完璧…ていうか120点。


経理が受付した後にするファイル綴じがしやすいようにしてくれてあるから」


「あぁ、そうなんだ。

……大島さんってさ、どんな感じだった？経理で」



「んー…大人しくて静かで…余計なことしないし、言わない感じ？

仕事はきちんとしてくれてたと思うよ」





うん、確かに。今と全く同じだわ。


営業に異動して全然笑わないけど経理時代からなら仕方ないし、そういうキャラか。




何となく自分なりに納得してフロアに戻ろうとした時、経理の相葉課長に呼び止められた。






「小瀧くん、ちょっと」


「はい…？」


「どう、大島さん。元気にしてる？」


「元気かはよく分からないですけど、今んとこ欠勤もせずに来てますよ」






やっぱ、あいつのコミュ障は上司的にも気になるのかな。



どう？と言われても、あいつもイマイチ感情が読めないからなんともな。






「大島さんてぶっちゃけ地味で静かだけどさ、仕事はきちんとしてくれるから。



気を利かせて先回りは出来ないけど、言われた事を120%にしてくれるタイプって言えば分かりやすいかな。



だから、気長に付き合ってあげてよ」



「はい、分かりました」





同期の子と、相葉課長の言葉の意味を考えながらフロアへ戻った。

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