星が降る夜でも

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廉が覗き込んだ時、ちょうど流れ星。





「あっっ！！！もー廉のバカ、お願い事しそこなったっ」


「すげぇ、初めて見たわ流れ星…。何願う予定だった？」


「……いや、分かんないけど…」


「なんだよ、それ」








ほんと、何を今ならお願いするんだろ。



彼氏もいるし、学校も楽しいし、まだ将来の夢とか無いから特に切羽詰まった神頼みも無いし。






「んーーーと…嵐のライブ当たりますように！」


「あはは、マジかよ流れ星さんにそんなお願い」


「だって2年前行ったきりだもん！今年は行きたいでしょ？あんた連れてってあげないからね」


「やだよ、あれは俺ら家族4人で行くって決まってるからな。彼氏と行くなんて裏切りは無しだぞ」







高校生になっても、廉はこういうとこが可愛い。

だめだ、シスコン本領発揮。彼女とか連れて来たら、私の仲良くできるかな。








「…ねぇ、廉は彼女いる？」


「今はいない。別れた」


「どうして別れたの？」


「んーーー……ぶっちゃけさ、友達と遊んでる方が楽しくね？

彼女めんどくせぇもん。先帰れって言っても毎日部活終わるのひたすら待ってるとか。

で、俺たまたまスマホ見てなくてそのまま帰った事あって。
すげーケンカになったんだよな」


「…毎日はしんどいね」


「ほんと、軽くホラーだったわ」






そのエピソード、ものっ凄く廉っぽくて納得。
あんたはそーいう奴だよなって、心の中で呟いた。



まぁ、両方の気持ち分かるけど…。







「あと、女子マネとかと話すのも嫌がるんだよなぁ〜。仕方なくね？必要な時もあるし、そいつ同じクラスだし」


「うん、たしかに」


「姉ちゃんも、彼氏から部活やクラスの男と喋るなって言われたら困るだろ？」


「うん、無理だよね。彼女だって無理でしょ」


「それが、やってのけるんだよなー…。



だから、もう重くて疲れたから別れた。当分彼女いらねー」






色々あるよね、みんな。




そのまま1時間くらい廉と星空を見てたら、何度も流れ星は見れた。







「姉ちゃんの嵐当たりますように！！！」


「センステ最前当たりますように！！！」






最後はお母さんも加わって、3人でお願い事祭になってて、帰って来たお父さんに苦笑いされちゃった。







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