アンジュ・エ・デモン 4th

152 ページ2

貴方今夜、時間あるかな?もし予定が無ければ会いたいです。







重岡くんを起こさないように、なるべく揺れないように。





って、電車が既に揺れてるから無駄な努力かもしれないんだけど…





こんなに気持ち良さそうに寝てるから、邪魔しちゃダメだよね。








「あ。寝てるやん、シゲ」


「うん。いつのまにか寝てた」


「ふーん。重いやろ、人間力抜けると3倍くらい重いからなぁ」







トイレにでも立ったのか、いつのまにか私たちの座席の横に神ちゃんがいた。







「多分やけどさ、シゲ昨日寝れてないねん。

朝起きるときもボーっとしてたし、ずっとあくびばっかり」



「…そうなんだ…」


「なんかあった？部屋代わってもらってた時。

シゲ何も言わんからさー…」







何も無いわけないじゃん、神ちゃんのバカ。



返答に困って黙ると、神ちゃんは小さくため息をついて私の頭を撫でた。







「色々あるよな。また話聴くから」


「うん、ありがと」







再び百合の元へ軽い足取りで戻っていく神ちゃんを見送っていると、手の中にあったスマホが震えた。









流星くんちょっと遅くなるけど良い?八時くらいからなら大丈夫だよ









流星くんからの返信が来た。








その文面を見つめながら、重岡くんに目線を移すと、全然起きる気配は無い。







ふざけてる率高いし






こんなに間近で顔を見るってあまりした事ないけど







まつげ長いな、とか



肌綺麗だな、とか



日焼けして赤いな、とか







放っておかれたら、多分私は終着駅まで見つめ続けてしまうんだと思う。

153→←151

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す