アンジュ・エ・デモン 2nd

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「…俺コテコテの関西人やからな！




粉もんには舌肥えてるから。ええ店紹介してや」



「ふふ、うん。中間さんに聞いてみる、食通だし」



「おん。




……じゃあ、俺帰るな。ほんま、迷惑かけてごめんな」



「うん。…おやすみ、気をつけてね」



「二階分降りるだけやで」









重岡くんも、多分何となく悟ったんだと思う。









閉められた玄関のドアを見つめながら、自分の気持ちを考える。









静寂の中でバイブ音が微かに聞こえて、スマホを見ると流星くんからの着信だった。








「もしもーし」



『もしもし。やっと出た、寝てた？』



「え？ううん、寝てないけど…やっと？」



『うん、何度かかけたんだけど出ないからちょっと心配した』



「あー…ごめん、お風呂入ってたからかな。今日長風呂しちゃったし」



『へぇ、長風呂する派なんだ。半身浴？』









まさか、流星くんが帰ってすぐ重岡くんが来てたなんて言えない。






寝ぼけてたとはいえ、キスしてしまったなんて。







嘘をついてしまった。








少し流星くんと話して電話を切って、なかなか眠りにつくことは出来なかった。







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会社行きたくないかも。





入社してから、こんな風に思う朝は久しぶり。




それでも行かないわけにはいかないから、重い足取りで向かった。









いつもより早く家から出たから、フロアに着いた時はまだ殆ど出社してる人はいなくて閑散としていて








まだ、重岡くんが来ていない事に心の底から安堵した。

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