アンジュ・エ・デモン 2nd

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そういえば、昔のピアノ教室の話いつしようかな。

思い出したよって。




でも言ったところで、あの一瞬でしか絡んでないし




それに…






『俺の初恋の子、タカハシって言うんやで』






自惚れなのかもしれないけど、それって私の事だったりしないのかな。

そう思うと、やっぱりピアノ教室の話は恥ずかしいから出来ない。








「酔うてるん？顔赤いで」



「え…あ、うん。もともと藤井さんの家でも飲んできてるから…

そろそろ限界なのかも」



「しかし、高橋も彼氏持ちかぁ〜えぇなぁ。しかも、あんなイケメン」



「…重岡くんだって、モテるじゃん。そういう話あるでしょ？」



「ほえっ？俺、モテてるん？知らんかったわぁ、早く教えろや！

つーか、紹介して」



「紹介するまでも無いでしょ」








時々耳にするんだ。


後輩や先輩の女の子以外に、同期でご飯食べてる時もチラホラ。






ーーーー




「社宅だよね？重岡くん。今度Aの家に遊びに行って、その流れで重岡くんの家にも突撃しちゃおうよ！」






週が明けて、同期の子とランチをしているとそんな話になった。






「どう？あっ！桐山さんの二次会の後とかどう？」



「Aの部屋何人泊まれる？」



「あー…うーんー…3人くらいなら…？」







なんか勝手に盛り上がってるみんなを百合は何とも言えない感じで見てる。


ランチの後部署に戻る時、心配そうに尋ねられた。







「ねぇ、本当にみんなを泊めるの？二次会の後」



「冗談でしょ、まさか本気では来ないって」



「分からないよー。女も集団になると怖いものないからね！重岡くん優しいからズルズル雪崩れ込まれそう」



「良いんじゃない？彼女いなさそうだし。それで何か芽生えるかも」



「…いいの？そうなっても」







良いも何も、私が首を突っ込む話じゃない。



その中で気の合う子が出来たら重岡くんにとっても良いよね。

東京であんまり仲良しな人いないって言ってたし。








「でもさ、重岡く…

「百合！私流星くんに告白された！」







それより、今の私はこっち。

重岡くんのことより、流星くんのことを考えるんだもん。







私の言葉に、百合は目をキラキラさせて食いついてきた。

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