アンジュ・エ・デモン

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言ってる意味が理解できなくて返事に困る。



面倒みるって、何？生活費負担しろってこと？

まさか金銭的な事を要求されるとは…



一夜の過ちって、凄く怖いんだ。








「…家賃と同額を渡せば良いの？」



「へ？家賃？」



「多分同じ間取りだし、私の部屋と同じだよね？4…」


「あはは、そういう風に捉えたんか！


ちゃうわ、お金やなくてさ」







社宅だから、立地の割に超格安なんだよね。

じゃなくて、違うの？お金じゃないの？








「じゃあ、面倒って何の？」



「ご飯、作ってや」



「はい？？？？」



「せやから、ご飯！昼の弁当と、夕飯。材料費は出すから」



「……えっと、…え？本気で言ってるの？冗談だよね？」



「マジやけど。一人暮らしの不摂生で太ってきてん。

な、これで黙っててもらえるんなら安いもんやろ？むしろ俺優しいやんな？」








どうやら重岡くんは本気らしい。




残業とかやむを得ない日を除いて、一ヶ月昼夜ご飯の面倒みるとか…








「私がメシマズだったらどうするの？」


「ん？勉強しーや、試食担当になったるから。
じゃ、明日の夜からよろしくな」








せやせや、お金お金…とお財布をゴソゴソしてる重岡くんを呆気に取られて見つめる。







私、まだOKしてないけど、もう強引にこの取引は成立したらしい。









「ねぇ………てことはさ、私やっぱり重岡くんと……なの？」



「ん？んー、どうやろな。秘密や、それは」



「お願い、本当の事言ってよ」



「言うたやん、さっき」



「え…」



「酔ってる方が、素直で可愛かったって」








めっちゃ、笑顔。







ダメだ…これ以上聞いても無駄。






諦めて、条件を飲むしかない。

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