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重岡くんの笑顔は100万ドル




ニカっと全開に笑うその笑顔は天使みたいで、無邪気で幸せな気持ちになる。

そう噂してる女性社員も多い。





だけど笑顔が無くなったその顔は…







「知らない方がええんちゃう?」


「え…」


「だから、世の中知らん方が幸せな事もあるかもって事」


「そんなの重岡くんが決める事じゃないでしょ?」


「えらい強気になったやん、さっきまでしおらしかったのに」


「だって、教えてくれないじゃん」








そっちだって、朝は他人行儀に敬語だったくせにタメ口に変わってる。




あ、それってまさか…やっぱ、一線越えたから…?







「高橋、何にするん?」


「へ?」


「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」







このやり取りの間に順番が来てしまい、藤井さんがキラキラの笑顔を向けてくる。






「んー…カフェオレのMとー…おい、高橋何にすんねん」



「カフェモカのMです……」



「だそうです」







最悪…唯一の藤井さんとお話できるチャンス(注文だけど)を逃してしまった。



項垂れつつ、いつもの460円を小銭入れから探す。







「はい、一緒でええです」



「ありがとうございます。920円です」



「はーい…。お兄さん、イケメンですねぇ。目の保養になりますわ」



「え?あはは、ありがとうございます。男性のお客様から言われると、素直に嬉しいです」



「むっちゃ眩しいわー」







私が一年以上越えられない壁を、重岡くんは軽々と越えていった。





にこやかに話す2人を遠巻きに眺めながら、自分の分の460円を握りしめて羨ましさを堪える。







「行くで、休憩終わる」



「…はい」







一瞬指が触れるかもしれないって期待をいつも込める商品の受け渡しも、重岡くんに取られた。






…また明日来よう。

絶対、私だって明日はお話しするんだから!








「重岡くん、お金」






差し出してくれたコーヒーカップと交換にお金を渡そうとしたけど、受け取ってくれない。






「ええよ、こんくらい」



「いや、でも…」



「ええって。そんなセコくないわ」



「ううん、払ってもらう理由…

「高橋ってさぁ」






これ以上貸しを作るわけにはいかない。




だから食い下がる私を、重岡くんは遮った。







「酔ってる方が、素直で可愛ええな」







ニカって笑って、重岡くんは私を置いてエレベーターに乗り込んでしまった。

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さくら(プロフ) - nonononさん» コメントありがとうございます^_^前作同様、楽しんで頂けるよう頑張りますのでよろしくお願いします♪只今何かが降臨中で話がどんどん浮かんでいるので、しばらくこのペースで更新できると思います! (2018年1月19日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
nononon(プロフ) - ストロベリーフィズから大好きです!とっても面白いので毎日楽しみにこのサイトを開いてます。がんばってください! (2018年1月19日 10時) (レス) id: 6b0e61c133 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 彩果さん» コメントありがとうございます(^ ^)最後まで楽しんでいただけるお話になるよう更新頑張ります!続きもよろしくお願いします♪ (2018年1月11日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
彩果(プロフ) - 重岡くん好きなので、すごい面白いです!続き気になります!!更新楽しみにしてます♪ (2018年1月11日 14時) (レス) id: f75f618622 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2018年1月10日 16時

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