アンジュ・エ・デモン

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何のつもりで私の束の間の癒しを邪魔するんだか。






…でも






指触っちゃった♡♡♡






ダメだ、最近自分が気持ち悪くなってきてるのは自覚し始めてる。

藤井さんが絡むと、それは濃度を増して本気でヤバいくらい。






…だけど



藤井さんが作ってくれるカフェモカを飲みながらの午後の仕事はルーティンとなっていて、捗るんだ。



憧れの人がいるだけでも、日々は彩りができるんだよ。








少し残業をしてから仕事を終えて、会社を出た。



そこへ…








「高橋さん」






え…嘘でしょ？


私の前に現れたのは、私服姿の藤井さん。


タカハシって、私よね？
周りをキョロキョロ見てみたけど、他に高橋らしき足を止めてる人はいない。






「仕事終わりましたか？」


「はい…何とか…」


「そっか。良かった、俺も終わったところなんです。デートしませんか？」







言ってる意味が…いや、分かる。

誘ってくれてるの？






こんな事あるんだ。






もちろん返事はYES以外無い。







「はい！良いんですか？私なんかで…」



「うん。高橋さんが出てくるの待ってたんですよ。

予定とか無かったですか？」



「予定……」







重岡くんリクエスト!唐揚げ食べたい







さっき送られてきた重岡くんからのLINE。


最近の私のアフター5は、専ら彼の夕飯作りとお弁当の下ごしらえ。


予定、と言えば予定なのかもしれない。








昼に軽く喧嘩したのに、平気でこんなの送ってくるあたり可愛いな、なんて思ったところ。








「いえ、大丈夫です！暇過ぎでした」



「そっか、なら良かった。何が食べたいですか？」








他の事ならまだしも、憧れとして熱く語ってた藤井さんとのデートなんだから重岡くんも許してくれるよね？



一件LINE打たせてって藤井さんに伝えて、軽い気持ちで送信ボタンを押した。








貴方ごめん、唐揚げ明日にさせて!今から藤井さんとデートしてくる!!

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