アンジュ・エ・デモン

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後ろに並んでる別の女の人がヒソヒソしてるけど、今の私にはそんなの全くダメージじゃない。


むしろ、ドヤっ！みたいな。


勝訴！みたいな。







「おまたせしました。いつもありがとうございます」



「こちらこそ、ありがとうございます」



「そういえば、今日雰囲気違う。髪の毛可愛いですね」








何という…



藤井さんが私なんかの巻き髪に気づいたなんて。



さすがにこれには動揺が隠しきれなくて、カップを受け取る手が少し震えた。








「あ、ありがとうございます…！」



「また来てくださいね」








夢見心地で百合の注文が終わるのを離れた場所から眺めて、デスクに戻る時はその話題で一色。







「ねぇっ！凄くない？Aのこと見直したよ、ほんとにイケるような気がしてきた！頑張ってね！」




「んふふふ、そーかなぁ〜」








口ではそう言いつつ、友達という第三者の存在から言ってもらえるとその気になってしまうもの。






おかげさまで午後の仕事は順調にこなすことが出来た。







ーーーーーーーーー




うちの課長は飲み会が好きだ。




なんやかんや理由をつけては、人を集めて飲みたがる。




今夜の飲み会は、中間さんが係長が課長補佐に昇進する事が決まったからという名目の飲み会。

そんなに年齢変わらないのに凄いと思う。






一軒めはそれなりに名目通りだったけど、二軒めともなれば飲み足り無い人だけが残って飲むだけ。






帰ろうと思ったけど、課の女子社員の中では一応飲める方だからと強引に残された。




途中から桐山さんも乱入してきてなかなか賑やか。

女の子が減ったからか男子ノリの雰囲気になってきたし、私も抜けようかな。






「神ちゃん、私抜けるね。おつかれ」



「え！帰るん？」



「うん。女の子いなくなっちゃったし」



「そっか。…じゃあさ、帰る前にちょっと聞きたいんだけど良い？」





飲み物を持って、神ちゃんと人が少なめのテーブルへ移動した。

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