アンジュ・エ・デモン

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次の日の朝は、いつもよりゆったりとした朝。

なぜなら…






重岡くん明日は弁当いらんから







昨夜部屋に戻った途端送りつけられたLINE。




あーそうですか。
いきなり不機嫌になって、邪魔扱いで、お弁当いらないとか。

私はお母さんじゃないんだからね！！！！







ムカついて、でもそれを発散する術も無くて、そのままフテ寝した。






で、お弁当を作らなくて良い優雅な朝が訪れる。





アラームの鳴る時間を変えるの忘れてたから、早起きをしちゃってする事が無い。






毎朝作るのは面倒で大変だったけど、空っぽで返してくれるお弁当箱は結構嬉しかったりしたんだけどな。

なーんて、思春期の息子を持つ母親かってね。







作らない朝の方が通常なんだから。

ゆとりもあるし、久しぶりに髪の毛を巻いてみた。







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フロアに入ると、幸か不幸か偶然重岡くんが外に出ようとしていた。





目が合って、何となく気まずい。






「…おはよ」



「……おはよ。あのさ、昨日なんやけど…



「おはよーさんっ！」







一応挨拶をすると、重岡くんは何か言おうとした。

でもそこへ、絶好のタイミングで割入ってくる桐山さん。







「おはようございます、桐山さん」



「あれっ、珍しいね髪の毛可愛い。デート？」



「まさか。今日飲み会ですよ、部署の」



「あーー、そうだった。

淳太が二次会からなら来るかって誘ってくれてたんだった。行くから場所連絡してって伝えておいて」



「ふふ、分かりました。伝えておきますね」







そのやり取りをしてるうちに、重岡くんは出て行った。





やっぱ、まだ怒ってる。

心当たりは1ミリも無いけどね。







あんな事があったけど、ちょっと仲良くなれたかもって思ってたのは





私だけだったみたい。

そう思うとちょっと寂しくなった。

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