126 ページ26
静かに階段を登る音がして、コンコンってドアがノックされた。
よし、って覚悟を決めてドアを開けると、小瀧さんがいて部屋に入ってきた。
「…Aちゃんの実家…」
「あんまりジロジロ見ないでください。掃除とかしてないし、可愛い部屋でも無いし」
東京の住んでる部屋を見られるより、こっちの方が何倍も恥ずかしい気がするのは何でだろう。
いそいそと雑然と散らかってる部屋を片付けてると、後ろからフワっと抱きしめられた。
数日前に味わった感触なのに、あの日よりもっと暖かく感じて涙が滲みそうになるのを堪える。
「ごめん、Aちゃん」
「なにが…ですか…？」
「怒ってんねやろ？ガツガツして、体目的みたいに思った？
たしかに順番は間違ってたかもしれんけど、でも、いい加減な気持ちやなくて…っ」
体が大きな小瀧さんからは想像がつかないくらい絞り出される、弱気な声。
謝らなきゃいけないのは私なのに。
傷つけたと思うし、勝手に連絡無視して距離置こうとした。
いい加減な気持ちじゃないって分かってるのに、思わせぶりな事をして、一番ズルい事しちゃったのかなって。
「ごめんな、Aちゃん。腹立ってるなら言ってや、無視されるのが一番辛い」
肩に顔を埋めて、抱きしめてる腕にぎゅって力がこもった。
痛いのに、心地良い変な感じ。
その腕にそっと手を添えた。
「お母さんは…？」
「お隣のオバちゃんが来て、外で喋っとる」
「紫耀は？」
「テレビ下で見とる。絶対変な事せんって約束して、ここ来た」
「……そっか。
びっくりしました。まさか、ここで会うなんて…」
「な、俺もびっくりした。紫耀にも無理させたわ、申し訳ない」
「小瀧さん…」
「ん？」
「ごめんね、連絡しなくて」
少し振り返って顔を上げると、すぐそばに小瀧さんの顔があった。
あまりにも近くて逸らそうとしたけど、そのまま頬に手を添えられて、柔らかい唇が重なる。
「ん、…ええよ。Aちゃんはめんどい子やな」
重ねるだけのキスが、次第に離しては重ねてを繰り返す甘いキスに変わっていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1962人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - Lemonさん» コメントありがとうございます(o^^o)お気づきですか？サブキャラは苗字お借りしてます笑。どハマりしたのでお許し下さい…。次章もありますので、お時間ある時また読んでもらえると嬉しいです♪ (2017年11月19日 15時) (
レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - こんにちは！初コメ失礼します。いつも海外から読ませていただいてます。とてもきゅんきゅんするし、毎日の原動力となってます！登場人物をコードブルーによせてますよね？笑笑 個人的にコードブルーめっちゃ好きです！これからも頑張ってください！ (2017年11月19日 2時) (レス) id: 7831d9ebb9 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - mocoさん» 淳太くんファンの方にも楽しんで頂けて光栄です♪続きもよろしくお願いします^_^ (2017年11月13日 16時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - さくらさん» お返事ありがとうございます。いつかコメントを残したいと思っていたんですけどこのタイミングになっちゃいました。いつもドキドキしながら拝見してます。淳太くんが好きなのでマシェリがドンピシャでお話もしっかりしていてファンになりました♪ストフィズも好きです。 (2017年11月11日 0時) (レス) id: 1a5ac77311 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - mocoさん» はじめまして、マシェリから読んで頂きありがとうございます！ご指摘の箇所、早速直しました笑。凡ミスを気付かずすみません(^_^;)また続きもよろしくお願いします♪ (2017年11月10日 23時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2017年10月19日 16時
