94 ページ44
前に来た時より部屋の中は雑然としてて、女の子の空気は感じない。
それにホッとした。
「…体調悪い…？」
「ん？あー、ちょっとな。最近寝不足やったし、仕事忙しくて。
あ、アイドルなのにすっぴん見られたわ。恥ずかし」
作り笑いをしながら、ソファーに投げられてたバスタオルを片付けに行って、お風呂上がりだったんだ。
「イブの夜に、もう風呂入って寝る準備万端とか終わっとるやろ」
「ううん、そんなことない。大丈夫…？」
「まぁ、寝不足が一番やからな。寝れば治るやろ」
「そっか。…うん、そうだよね…
ごめんね、こんな時間に非常識過ぎるのにノコノコ部屋来ちゃって。
コレ、良かったら食べて」
持って来たケーキの箱を小瀧さんに押し付ける。
もしかしたら、実際会えばって心の何処かで思ってた。
もしかしたら、会えばすぐ前みたいに笑い合えたりするかなって。
たけど現実はうまく行かない。
戸惑ってるし、困らせてるし、迷惑に決まってる。
「ごめん。帰るね、お邪魔しました…」
やっぱり居た堪れない。
まだコートもカバンも身につけたままだったから、そのまま玄関へ繋がるドアノブに手をかけた。
「待ってや。…そりゃ無いわ、Aちゃん。
送ったるから、少し話さへん？もう終電も無いやろ」
「無いけど…だけど…」
「アホなんちゃう？自分。こんな日…イブにフッた男の家に来るとか…
前からちょっと思ってたけど、どっかネジ飛んでるよなぁ」
クスクス笑ってる、可愛い笑顔。
それに性懲りも無くキュンとしてしまう。
「だって…体調悪いって聞いたから…心配になったんだもん…」
「まぁ、それはウソや無いけどな。誰が言うてたん？」
「紫耀から。…心配してたから…」
「そっか。
…まったく、俺らの周りにはお節介しかおらんなぁ。藍沢さんといい、弟といい。何なら桜さんもや」
「ふふ、ほんとだね」
小瀧さんポンポンって自分の座ってるソファーの隣を叩くから、持ったままだったカバンを床に置いて、そこへ座った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1689人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sakura - コードブルーファンですか？ (2020年1月25日 21時) (
レス) id: 7953d3d0df (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - きのはさん» ちょこちょことしか更新できていませんが、そう思ってくださる方がいて凄く嬉しいです。ありがとうございます♪続きもよろしくお願いします！ (2017年10月19日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - ポチャ桐子さん» ドキドキする感じで想いを伝え合えるようにしたかったので、そう言ってもらえて嬉しいです♪続きもよろしくお願いします！ (2017年10月19日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - mikkyさん» 想いも通じて、でもまだまだドキドキは続きます！かな？もう少しお付き合い頂けると嬉しいです☆ (2017年10月19日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - Mayさん» 好き同士のすれ違いは切なくて、進展させてしまいました(^-^;クリスマスに両思いになれて良かったです♪ (2017年10月19日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2017年9月26日 17時
