マシェリ〈Ma cherie〉〜force〜

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あまり感情的にならないように、当たり障りなく終わるように言葉を選んでたら急にお母さんはクスクス笑い始めた。





「あの…どうかしましたか？」



「ううん…由紀から聞いてたまんまの子だなって思って」



「えっ。何ですか、それ？ 」







そんな事言われたら気になって仕方ない。

自分でも気づかないくらい食い気味になる。






「物分かりの良いフリして全部受け流していく、生意気な小娘」



「…え！？！？！？！な、生意気…？」



「ふふ、ごめんなさいね。由紀キツイから、ストレートなのよ何でも」







まさかの言葉に茫然。






「でも、私から見るとそんな所も可愛いけど。

それくらいじゃなきゃ経営者の相手なんて務まらないから。




Aさん、淳太の事支えてあげてね。きっといつから、つまづく事もあると思うから」




「……はい。




頑張ります…」







これって、どうなの？


認めてもらえたの？



よく分からない。でも、嫌われては無い…よね。






「あと、コレ。良かったら受け取って？
若い子の好みかは分からないけど、昨日お誕生日だって聞いたから」






そう言って差し出された小さな紙袋。






「え…でも、こんな高価な物受け取れません！」






それは高級ブランドの紙袋。

こんなの、彼氏のお母さんから貰うなんて無理。







「でも、私にはデザイン若過ぎるから。

この２週間デートのお邪魔たくさんしたお詫びって気持ちも入ってるから貰って？」



「でも…」



「それに、このブランド好きなんじゃない？
いつもそのピアスしてるから、同じ所のなら無難かと思ったんだけど」







お母さんが指で自分の耳たぶをトントンついて、それにつられて私も自分の耳たぶを触った。

そして当然感じる、私の一張羅なピアス。







「好き…は好きですけど…」






前に淳太くんから貰った物です、なんて何となく言えなかった。

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