マシェリ〈Ma cherie〉〜force〜

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水着を持って来てと言われ、改めてクローゼットを物色。

プールなんてしばらく行ってないし、今流行りの可愛いお洒落なデザインのは言えない、しかも…






「…なんじゃこりゃ」






20歳そこそこで買ったものだから、若さゆえに露出も高いもの。


その頃から大幅に体重が増えたとかじゃないけど、やっぱり今とは色々と勢いが違うわけで。






着れないでしょ、こんなの。






だから新しいのを買ってみた。






ビキニだけど、ショートパンツもタンクトップもセットになってるから大丈夫。これなら着れる。






満を持して誕生日当日になった。






正直ここ暫くの展開からして、ドタキャンも心配したけど何も連絡が無いまま定時が訪れた。







「小瀧くん、これ明日の打ち合わせのレジュメ作ったから見ておいてね。

付箋貼ったところと、あと8ページの…

「わかりました。ちゃんと付箋とことマーキングしてくれたとこは最終確認しておきますから。


だから、早く帰って大丈夫ですよ？さすがにデートでしょ、今日は」



「あ…うん…」



「お誕生日おめでとうございます。相原さん」







詳しく説明しようと広げたレジュメを奪い取られて、にっこりと笑った小瀧くんから追い出されるみたいに見送られて退社をする。







ーーーーーーー







昨日の夜に送られて来た待ち合わせ場所へ向かうと、そこには淳太くんが既にいた。






「淳太くん！ごめんね、お待たせ」



「うん、俺も今来たから。大丈夫だよ」








差し出された手に重ねようと伸ばした手を引き寄せられて、ぎゅっと繋ぐ。







その瞬間スマホが鳴って、ディスプレイを確認した淳太くんの顔が一瞬曇った。

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