【名探偵コナン】記憶と本音と言葉と【降谷零】【愛され】←予定

会いたい ページ7

ガードレールにもたれて

紫煙を含む

キラキラとイルミネーションされた街を眺めて思い出す

今日はクリスマスイブか

あと、3時間で私の誕生日か

今でも消えない胸の痛みに思わず

彼の名前を音(こえ)にする

『れい……』

会いたい

名前を呼んで抱きしめて欲しい

まだ紗奈と続いてるのかな

苦しいな

胸が張り裂けそうだよ

抉られるような

鈍い痛みに思わず胸を抑える

涙が零れた

クリスマスが近くなるといつもこの場所でれいの事考えては

涙を流す

彼と初めてキスした場所

彼に告白された場所

彼に別れ話をされた場所

彼が目の前で事故にあった場所

しゃがみこんで

とめどなく溢れてくる涙を拭いながら

上を見上げる

星空と月は滲んでいた

会いたい

会いたいよ

『れい…………』

もう1度音(こえ)に出して名前を呟く

ザクっ

人が来る音が聞こえてきて


さすがにこんな所で一人で泣いてるのを他人に見られたくは無いので

足音の人物を確認もせずに

下を向いて足早にその場を去ろうと

お気に入りのバイクに跨ってエンジンをふかして走り去る

その人物に呟いた音を聞かれてるなんて気づきもしなかった

その人物が私を注視してるのにも

いつもならそういう視線に敏感なはずなのに

この時は気づけなかった

チラリと視界の端で捉えたのはミルクティー色の髪をした背の高い男の人だった

下を向いていた私には顔を確かめる事は出来なかった


｢赤井…………｣

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