白雪姫は毒林檎を食べない。 (ページ10)

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白雪姫。9 ページ10

問題の傾向が解るかもしれないので、先を譲る事に決めた。
男は先に行って道に罠を仕掛けるつもりの様だが、先ずは正解するか如何かである。

「それでは問題。
お前の母親と恋人が悪党に捕まり、一人しか助けられない。
①母親
②恋人
どっちを助ける？」

予想外の選択問題。万人共通の答えなど存在していない問題に、三人は戸惑った。

男性も少し考え込んだが、老婆好みであろう答えを言う。

「①！」

本当は恋人だが、老婆好みは間違いなく①だと確信してこの答えにしたのだ。

「何故そう思う」

「そりゃあ～母親はこの世にたった一人だぜ。恋人はまた見付けりゃ良い」

最低の答えと男の心情に気付いたAは冷たい目で見た後、最低…と小さく呟いた。

老婆は後ろの仮面の者達と話し合い、男に通りな…と一言だけ行って道を開ける。
その様子にキレたレオリオは、ついに老婆達に怒鳴り始めた。

「ふざけんじゃねェッ！こんなクイズがあるかボケェ！！」

「レオリオ…」

「こんな問題、人によって答えは違うし『正解』なんていう言葉で括れるもんでもねー！！
此処の審査員も合格者も全部クソの山だぜ！オレは認めねーぞ！！
オレは引き返す！別のルートから行くぜ！！」

別の道から試験会場に行く為に道を戻ろうとしたレオリオだったが、老婆の言葉で踏み止まる。

「ふん、もう遅い。
クイズを辞退するなら即失格とする」

その言葉にさえレオリオが怒りで震えている時、クラピカとAは気付いた。
耳の良い二人にしか聞こえなかった悲鳴が。

「レオリオ！！」

「何だよ！真逆、こんな巫山戯た問題を続けろってのか！？」

気付いた事を伝えようとしたが、老婆に喋る事は許さないと言われて言葉を止める。

①クイズを受ける
②受けない
の選択肢に、クラピカは受けるを選んだ。