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白雪姫。1 ページ2

雷鳴轟く空・荒々しく吹き荒れる風・激しく波打つ海・その上を航海する船。
船が波で海の上を飛ぶ羽目になる航海、乗客の殆どが耐えきれずに倒れた。




「情けねェ連中だぜ。こんなんでハンター資格を取ろうってんだから笑わせやがる」




帽子を深く被り直しながら言う船長の視界に映るのはハンター志望者の男性達。
嵐の航海で酔い潰れ、志望者達は体調不良で殆どが全滅したのだ。




*・*・*・*・*




嵐が去った後の海は静かで空は快晴。
船長は船員達に二時間程休めと伝え、海の向こう側を見つめる少女に気付き、声をかけた。




「どーした小娘?今頃船酔いか?」




茶化す様に言う船長の言葉に少女は静かに空を見上げ、嵐が来ると呟いた。

少女の発言に船長は片眉を上げ、酒瓶に口を付けながら何故?と聞く。
その言葉に少女は船の横を飛ぶウミヅルをじっと見つめながら理由を話した。




「風が生温くて塩気が多い。何よりウミヅル達が互いに注意し合っているから」




少女の話した事実に船長は目を見開き、驚嘆の表情を浮かべる。




「小娘!鳥言語が分かるのか!?」


「全部じゃないけど、分かるよ」




こりゃ驚いた、そう思って少女の横顔を見ている時にある事に気が付く。
昔、出会った青年の面影が少女に見えたのだ。




「小娘、くじら島から入船したんだったな」


「うん」


「親父は何してる?」


「ハンター。
写真でしか知らないけれど、尊敬しているよ」


「そうか…」




この日が来おったか、心の中で呟きながら帽子を深く被り直し、目の前の少女の面白さに笑みを浮かべる。




「よし、来い!操舵のコツを教えてやる」


「本当?ありがとう」




そう言って笑みを浮かべる少女は、素直に船長の後ろを着いて行った。




彼女の名はA=フリークス。

死を愛し死に嫌われた者。義兄譲りの自 殺癖と頭脳を持つ彼女は父と同じハンターを目指す。
目的は父が魅入ったハンターに興味を持った事と、この世界の何処かに存在する白紙の文学書を探し出す事。




『ハンター試験、楽しみだ』




綺麗な赤い唇を不敵に歪めた彼女の紅き瞳に映るのは、未知の存在と未来。

自分の知らない新たな出逢いだった。

白雪姫。2→←序章



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るなるん(プロフ) - 好きです!続きをお恵みください!、 (2022年3月14日 16時) (レス) id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫吹-シスイ- | 作成日時:2021年4月13日 1時

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