@245 ページ24
にっしーと急いで美玲さんの元に駆け寄る
嫌な予感がした
青「咲良さんの腕時計…動かなくなっちゃって……」
貴「嘘でしょ…」
美玲さんの手から取って腕時計を見ると、時間は5分前で止まっている
西「…お前勝手に人の腕時計いじったの？」
にっしーとお揃いの腕時計
美玲さんににっしーの腕時計と似てると疑われても、気に入ってたからいつも付けていた
それくらい大事なものだった
青「ごめんなさい…つい手が滑って落としちゃって…」
どうやっても針がまた進み出すことはなく、この時壊れたんだとやっと理解した
貴「…………」
言葉にもできなかった
青「本当にごめんなさい…弁償します」
西「弁償って…」
にっしーも自分があげたやつだから余計に、美玲さんに呆れてるのが伝わってくる
しかし、あまりにも美玲さんが申し訳なさそうに謝るから
貴「…大丈夫です。私もテーブルに置いてたのが悪かったし。美玲さんもわざとやったわけじゃないならもういいですよ」
西「それでいいのかよ…」
私がそう言った時、急に美玲さんの態度が変わった
青「…そうだよね！あんな所に置く方も悪いですよ。だって触りたくなっちゃうもん」
美玲さんの態度の変わりように、周りの空気が一気に冷え切った
青「撮影再開しましょう！すみません、もう大丈夫です！」
美玲さんの切り替えの良さはいい所だ
仕事のオンオフがハッキリしてる
ス「…大丈夫ですか？」
スタッフさんが気を遣ってくれた
でもこれは流石に違う
西「おい。お前いくらなんでもそれはねーだろ」
青「…はい？」
西「こいつがどれだけあの腕時計気に入ってるか知ってんだろ。人の物壊しといて。それが人を傷つけたやつの態度かよ」
あんなにっしー初めて見た
ハッキリ言って、現場の雰囲気はもう最悪だ
それでもにっしーは私のために美玲さんに言ってくれて、それだけで嬉しかった
しかし…
青「………っ」
急に美玲さんは走り出し、スタジオを出て行ってしまった
貴「美玲さん！！」
気づいたら私の足は勝手に動き出し、美玲さんの後を必死に追いかけた
貴「はぁ…、美玲さん…待って！」
逃げ続ける美玲さんの腕をやっとの事で掴むと、美玲さんは走るのをやめた
青「…ほっといて…っ」
泣いている美玲さんは私にそう言った
廊下に美玲さんの泣き声が響く
貴「ほっとけません」
私がそう言うと、振り返った美玲さんを見て驚いた
そこには涙は一滴も出ていなかったんだから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 618人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - じゅんさん» 返信遅れてすみません。登場人物設定の欄にご自身のお名前を入れていただければ、じゅんさんの名前に変換されると思います！ (2018年7月27日 0時) (
レス) id: 2796cb20f1 (このIDを非表示/違反報告)
じゅん(プロフ) - 名前が咲良になってます！ (2018年7月21日 18時) (レス) id: d643f009f0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - Chopaさん» ご指摘ありがとうございます！全く気が付きませんでした。すぐに直します！ (2018年2月21日 8時) (レス) id: 2796cb20f1 (このIDを非表示/違反報告)
Chopa(プロフ) - すみません、229番のお話からいきなり300番に飛んでますよ！ (2018年2月21日 5時) (レス) id: 59b98c64bb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - くまさん» おめでとうございます！まだ受験残ってたんですね。後悔しないように頑張ってください！ (2018年2月6日 0時) (レス) id: 2796cb20f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら | 作成日時：2017年12月24日 0時
