The Lizard man (ページ7)

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屋敷での生活も慣れて、四度目の誕生日が近づいてきた日。

僕は屋敷の主人、「Herr.リプソン」に呼び出され、客間に来ていた。

「お前の買い手が見つかったよ」

いつもよりもニコニコしながら僕の目を見て話すリプソンに、僕はいいことが起きていると感じた。

しばらくにこにこして脚をプラプラと揺らしていたら、1人の見知らぬ男の人が入ってくる。

いいかい、今日から彼が君のお父さんだ。

Herr.リプソンはどこへ行っちゃうの？

私はどこにもいかないよ。
出て行くのは君だ。

入ってきた男は、僕の方を見て、ぶっきらぼうにフリークと呼ぶが、なんのことだかさっぱりわからない。

相変わらずにこにこ笑顔を絶やさないMr.リプソンが僕の手首に枷を嵌める。

鎖の先は男の手。

「Gute Baye,Junge」

「Herr.Lipson!!」

書斎の机に腰を寄りかからせて手を振る姿が、僕が最後にみたHerr.リプソンであった。

＊

馬車の荷台に乱雑に詰め込まれ、酔いが回って吐き気がする。

いつにも増して青白いであろう顔を僕は手で覆って、少し泣いていた。

どこかについたらしく、鼻からゲロが出そうな感覚は過ぎ去っている。

恐る恐る顔を覆っていた手を外し、外の世界を見た瞬間、鎖を引かれ、無理に外へ出された。

そこはHerr.リプソン邸ほどでもないが、かなり大きな屋敷であった。

ステンドグラスの窓がはめ込まれた、レンガ造りの家に、ところどころ花籠が吊るされて、甘い蜜の香りを振りまいている。

これからこの屋敷で過ごすのかと胸を躍らせていたのもつかの間、僕が入れられた部屋は真っ暗でジメジメとした地下室であった。