【実/況/者】出会いは画面の中で【ky】

#7＿＿＿折鶴 ページ8

「先輩、

今日ご飯食べに行きません？」


仕事が終わって伸びをしている私の後ろから、

唐突な質問。


『どうしたの急に』

「いや、急にも何も、


この前誘ったときに先輩がいいよって言ったんじゃないすか」


『え、あー…言ったっけ…』


多分、内容を理解しないまま返事をしたので覚えていないのだろう。

記憶が曖昧だ。


「言いましたって

で、どーすんですか」


『あー……いいよ、行こっか。』

「っしゃ、先輩の奢りってことで」

『行かないわよ』

「冗談です」


そんな雑談をしながら、

私たちは会社を出た。




.




「…あ、こことかどー？」


歩きながらキヨ君が言う。


『切り替えが早いのね。

早すぎて慣れないわ。』

「なんて？」

『…なんでもないです。』


…めんどくさい奴ね


そう思いながら、私たちは少しお洒落なお店へ入った。




.




『…やばい…超美味しい…』

「だろ？ここ好きなんだよー」

『よくここ来るんですか？』

「ん？あー、友達とね。」


…友達？


…あー、


あの3人か…


『ふーん…』

「あ、今ちょっと気になったしょ？」

『…い、いや、別に…

キヨさんの友達を…予想してただけです』

「へぇ？」



『…なんでにやにやしてるんですか』

「いーや？」




.




「俺、会計行ってくるわ」

『え？い、いや、いいですよ…！』


「いーの。俺が払うから。」


『……ありがと…』


…ちょっと今のは、

かっこよかったな

って、思ってしまう。


「んじゃ帰るかー！

…っと、思ったけど、」

『はい…』

「…なんで外大雨なの？」

『さぁ…』


「…このまま帰すと風邪ひくだろ。




家、泊まってく？」



『…え？』

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