らくだい魔女と星のハーモニーpart３

いけにえと空っぽの身体 ページ33

キラside


クスクス……クスクスクス……


頭の中に、笑い声が響く。


誰なの？


ここはどこなの……？


あたしはそう思った。


怖い。


真っ暗だ。


何も、見えない。


ねえ、みんな………。


今、どこにいるの……？


あたし、みんなの所に……


＿＿＿＿＿＿戻りたいよ。




カイト…………………………。


今、すごく。


あなたに会いたい。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿

No.side

石の壁に囲まれた、暗い地下室。


たった一つのロウソクしか灯りがないこの部屋で…。


一つの儀式が、行われようとされていた＿＿＿。





大きな石の台に、小さなキラの身体が雑に置かれる。


「さぁ、早く、この少女から力を抜こうではないか。…………聖なる星の力を」


冥界の王、ラザリアスがそう言うと、ジェットが呪文を唱え始めた。


「一人の姫の力をもとに、今こそ、召喚獣の力を解き放ちたまえ」


ジェットのひとみが冷たく光る。


シリマナイトがニタリと笑った。




ボゥッ






キラの身体が光り、中から球体が飛び出す。


その瞬間、シリマナイトがある『石』を球体に向け……


球体が石に吸い込まれた。


その球体は、キラの中にいた、たくさんの召喚獣の力だった。


「姫の身体の魔力は、すべて吸い取った。あとは姫の身体を、いけにえに差し出す…！」


「そして、魔界の火の民、フウカの力を我々の物にして…」


「我々が世界を支配する、というわけですわよね？ラザリアスさま？？」


ジェットがラザリアスを見る。


ラザリアスはうなずいた。


「この空っぽの身体は、いけにえに差し出せ。姫の魂を、力に変換するのだ」









ラザリアスの笑い声が、地下室に響き渡った＿＿＿＿。

魔法陣→←ちょっとやってみたかった番外編の短編集！その１２

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